『名著から学ぶ創作入門 優れた文章を書きたいなら、まずは「愛しきものを殺せ!」』(ロイ・ピーター・クラーク、フィルムアート社)が刊行されました。国弘喜美代さんとの共訳です。
アメリカで最も影響力のある文章執筆のエキスパートが、文章術に関する本1,500冊の中から約50冊を厳選し、それらの本のエッセンスを抽出した本です。
この本のまえがきは、フィルムアート社のウェブマガジン「かみのたね」で公開されています。
この記事では、フィルムアート社の承諾を得て、訳者あとがきの全文を掲載します。興味のあるかたはぜひこの本を読んでください。
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これは本の書き方、文章の書き方について書いた本だ。四十年にわたって文章術の指導にあたってきた専門家、ロイ・ピーター・クラークが文筆にまつわる名著五十点以上を厳選して引用し、読むことや書くことについてわかりやすく解説している。And other gentle writing advice from Aristotle to Zinsser という原著のサブタイトルのとおり、古代ギリシアの哲学者アリストテレス(A)から、ジャーナリストで作家のウィリアム・ジンサー(Z)まで、時代を問わず多岐にわたる著作家の作品を採りあげている。
邦題のサブタイトルにある『愛しきものを殺せ』は、原著のタイトル Murder Your Darlings を訳したものだ。もとはイギリスのアーサー・クィラ・クーチ教授のことばで、「惚れこんで書いたことばを削除せよ」という意味を持つ。少々物騒な響きを持つこの原題について、著者は本書がデンマークと日本で翻訳されることをSNSの投稿で読者に知らせ、「まさかミステリと勘ちがいしていないだろうね」と冗談混じりに述べていた。
著者のロイ・ピーター・クラークは、ニューヨーク市に生まれ、ロードアイランド州のプロヴィデンス・カレッジで学位を取得、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校で博士号を得たのち、アラバマ州のオーバーン大学モンゴメリー校ではじめて教鞭をとった。一九七七年に「セント・ピーターズバーグ・タイムズ」紙(現「タンパベイ・タイムズ」紙)に記者の指南役として雇われ、一九七九年からはアメリカのジャーナリズム研究機関ポインター・インスティテュートで文章術を教えている。これまでに、読み書き、言語、ジャーナリズムに関する十八作の書籍を執筆、編集し、本書は十九作目にあたる。ユーモアで知られるコラムニスト、デイヴ・バリーはロイ・ピーター・クラークを評して、「自分の知る存命の人物のなかでだれより文章術にくわしい」と語る。
書くことについて書いた本にはふたつあって、ひとつは「おもに文章術、すなわち書く方法に焦点をあてた本」、もうひとつは「アイデンティティ、すなわち物書きとしての生き方を語る本」である、と本文中にあるが、本書はその両面を兼ね具えている。以下の六部から成る。
1 ことばと文章術
2 声とスタイル
3 自信とアイデンティティ
4 ストーリーテリングと登場人物
5 レトリックと観客・読者
6 使命と目的
これらのテーマに沿って、各章ごとに小説家、ジャーナリスト、詩人、哲学者などの作品を採りあげていく。第一部では、著者自身が影響を受けた名高い著述家、ジョージ・キャンベルやジョン・マクフィーの作品を引いて、文章をうまく書くための秘訣と具体的な手法を説明し、またウィリアム・ストランク・ジュニアとE・B・ホワイトによる『英語文章ルールブック』など、自身がたびたび人に勧めてきたガイド本を紹介する。第二部では、アーシュラ・K・ル=グウィンやアーネスト・ヘミングウェイの文章には「声」があることを述べ、作家がどんなふうに文を磨くか、文章作成のプロセスと推敲について多くの例をあげてみせる。そして第三部からは、作家のスティーヴン・キングやアン・ラモットなどのことばを引用し、物書き「になる」ための心構えや習慣を説くと同時に、物書き「である」ための姿勢をも示している。
注目すべきは、作家になりたい人のために、著者がきびしくも励みになることばを選んでいる点だ。「執筆が楽しいことは、ごくまれにしかない」というマクフィーの言を引いて執筆の苦しみを語る一方で、書くことにはそれ以上の意義があることを繰り返し強調する。「とにかく書きはじめよう」「最初がひどくても気にするな」「書く習慣を身につけよう」と終始力づけてくれるのだ。
さらにこれを単なるハウツー本ではない独創的な案内書にしているのは、文章の技巧面、精神面でのアドバイスにとどまらず、著者自身が物書き「である」ための覚悟や矜持や使命にまで踏みこんでいる点だろう。長年ジャーナリストとして活躍すると同時に、多くの優秀な人材を育ててきた著者が、作家としての信念を熱いことばで読者に訴えかけている。プロパガンダについて述べたサミュエル・I・ハヤカワ、苦難に満ちた人生を糧にしたカート・ヴォネガット、ディストピアで未来を予言したオルダス・ハクスリー、政治におけることばの濫用について書いたジョージ・オーウェル、戦時下で目撃したことを報道したエドワード・R・マロー。こうした先人たちの作品を引用しつつ、著者はことばの持つ力と、それを使う者の責任を力説する。そして、どう書くかだけではなく、なぜ書くかを自問し、読者にもその問いを投げかける。
ロイ・ピーター・クラークは〝アメリカのライティングのコーチ〟と呼ばれ、本書についても多くの賛辞が寄せられている。ピューリッツァー賞を受賞した「ボルチモア・サン」紙のジャーナリストであるダイアナ・サグは、本書について「技巧と文章術の精髄のみならず、作家の声とアイデンティティ、使命と目的に焦点を合わせた本」であり、「すべての物書きに勧めたい」と述べている。
この本には学びを通じた出会いの精神がある、と著者は言う。そして執筆者の仲間に加わるよう読者を招き、「いつからでもいいから書きはじめよう」「書きつづけよう、そうすれば、だんだんよくなる」と勇気づける。この本を読むことで「読者のみなさんにも、書きたいと感じてもらえたらと願っている」とも語っている。
なお、各章で採りあげた作品だけでなく、本文中に言及されている多くの書籍を一覧にして巻末に掲載した。邦訳がない本もあるが、ブックリストとして役立てていただけたらうれしい。ここはやはり、著者のことばを引いて締めくくろう。「ぜひそちらも読んでもらいたい!」
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、各種のイベントが中止・延期になっています。
朝日カルチャーセンターは、新宿・横浜・中之島の3教室とも休校中で、いつ再開されるかは未定です。
現時点で、4月期講座は1か月ほどすべて休講で、その後については、わかりしだいお知らせします。
新宿教室の「だから翻訳は面白い」(倉林秀男さんとの対談)は5月30日、中之島教室の「英米小説の翻訳」「文芸翻訳教室」は6月27日に予定されていますが、変更の可能性もあります。
―――――
5月26日にフィルムアート社から『エッセンスから学ぶ創作入門』(仮題、ロイ・ピーター・クラーク)という訳書が出る予定です。国弘喜美代さんとの共訳です。内容については、紹介ページをご覧ください。
みなさん、くれぐれも気をつけてお過ごしください。
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、各種のイベントが中止・延期になっています。
朝日カルチャーセンターは、新宿・横浜・中之島の3教室とも休校中で、いつ再開されるかは未定です。
現時点で、4月期講座は1か月ほどすべて休講で、その後については、わかりしだいお知らせします。
新宿教室の「だから翻訳は面白い」(倉林秀男さんとの対談)は5月30日、中之島教室の「英米小説の翻訳」「文芸翻訳教室」は6月27日に予定されていますが、変更の可能性もあります。
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5月26日にフィルムアート社から『エッセンスから学ぶ創作入門』(仮題、ロイ・ピーター・クラーク)という訳書が出る予定です。国弘喜美代さんとの共訳です。内容については、紹介ページをご覧ください。
みなさん、くれぐれも気をつけてお過ごしください。
朝日カルチャーセンターでの2020年4月期の文芸翻訳講座の受付がはじまりました。今期も、新宿教室・横浜教室・中之島教室の3か所で開講します。
1月期の講座では、一般向け定期講座「文芸翻訳教室・英語と日本語のはざまで」がまだ申しこみ可能です。予習不要です。
【3月1日追記 3月7日は休講、28日に代講となりました】
【3月26日追記 28日は休講となりました】
【3月9日追記 3月14日は休講となりました。代講日は5月2日(同時間帯)となる予定です】
トップページの「講座を探す」で、フリーワード検索に講師名を入れてもらえれば、現在受付中の講座がわかります(講師名を入力するときは、苗字と名前のあいだにスペースを入れてください)。教室名のタブ(新宿・横浜・中之島)をクリックすると、その教室の全講座が表示されます。
3教室とも毎期、「英米小説の翻訳」(要予習、毎月1回)と一般向け定期講座「文芸翻訳教室・英語と日本語のはざまで」(予習不要、各期1回、4月期は中之島4月25日、新宿6月6日、横浜6月13日)があります。
さらに、新宿教室では倉林秀男さんとの対談があります。
「英米小説の翻訳」は、新宿と横浜は1時間半×3回、大阪は3時間×1回の形でおこないます(大阪は扱う英文の長さが約3分の2です)。原則として、長短編小説の一部をていねいに訳し、全員の訳文を全員に配布して細かく検討していきます。4月期は、1月期と同じく、1960年ごろのアメリカの短編(1月期とは別の作品)を扱います。
新宿は火曜午前・木曜夜・土曜午後の3クラス(どれかひとつを受講)、横浜と中之島は土曜午後の1クラスです。
「英米小説の翻訳」では、英文の訳読のほかに、各期ごとに指定した本(おもに翻訳書または周辺書)を読んできて簡単に感想を言ってもらう時間を少しとります。課題書はこのブログの右側に載せてあり、4月期は『忘れられた巨人』(カズオ・イシグロ著、土屋政雄訳、早川epi文庫)です。
一般向け定期講演「文芸翻訳教室・英語と日本語のはざまで」は、翻訳の仕事にまつわるエピソードなどを英文の実例とともに紹介していくもので、毎回内容が異なります。「翻訳しづらい英語表現」「訳文添削道場」「編集・校閲・校正担当者とのやりとり紹介」など、初級者から上級者までに役立つ話が盛りだくさんです(予習不要)。
「英米小説の翻訳」を受講中の人やこれから受講しようという人、予習する余裕はないけれど文芸翻訳の勉強を長くつづけたい人などは、可能なかぎり毎回受講してください。語学の知識が少し必要ですが、どなたでも参加できます。
◎「英米小説の翻訳」の日程とお申しこみページは以下のとおりです。
・新宿火曜午前(4月7日&6月2日&6月30日、10時から11時30分)
・新宿木曜夜(4月9日、5月14日、6月11日、19時から20時30分)
・新宿土曜午後(4月4日&5月30日&6月6日、13時30分から15時)
・横浜(4月11日&5月9日&6月13日、13時30分から15時)
・中之島(4月25日、13時から16時)
◎一般講演「文芸翻訳教室・英語と日本語のはざまで」のお申しこみページは以下のとおりです。
・中之島(4月25日、16時30分から18時)
・新宿(6月6日、15時30分から17時)
・横浜(6月13日、15時30分から17時)
◎今期も新宿教室で、ゲストをお招きしての公開対談「だから翻訳は面白い」をおこないます。
今回は、ベストセラー『ヘミングウェイで学ぶ英文法』シリーズの著者で、新宿教室でも講座を担当していらっしゃる倉林秀男さん(杏林大学准教授)をお招きし、『ヘミングウェイ~』をお書きになったいきさつや正確な英文読解力の習得法などについてうかがいたいと思っています。
また、英語に関するクイズやこぼれ話をお互いに用意して、参加者のみなさんにも楽しみながら取り組んでもらう時間を作る予定です。翻訳学習者だけでなく、語学に興味がある人はどなたでもお気軽にご参加ください。もちろん、予習不要です。
「だから翻訳は面白い」対談シリーズは、これまで翻訳者や出版関係者をお相手に開催し、今回が7回目です。今後も翻訳出版にさまざまな形でかかわっている人をお招きするつもりです。
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今年も『文芸翻訳教室』特別勉強会を開催します。以下の日程でおこないます(どれかひとつにご参加ください)。
・東京・夜―――3月19日(木) 19:00~20:40【2月28日追記 中止となりました】
・東京・午前――3月24日(火) 10:00~11:40【2月28日追記 中止となりました】
・大阪・夜―――4月24日(金) 19:00~20:40【3月23日追記 中止となりました】
くわしい内容とお申しこみ方法については、このページを見てください。
4月期から「英米小説の翻訳」の受講を考えていらっしゃる人などは、ぜひ参加してください。もちろん、この1回だけの参加でもかまいません。
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先日、『この英語、訳せない!』のインデックスを公開しました。エクセル版、テキスト版、EPWING版の3種類があります。どなたでもご自由にダウンロードしてください。このページにあります。
『この英語、訳せない!』刊行に合わせて作成した動画「この英語訳せない! 特別編」の販売サイトはこちら。YouTubeのサンプル動画はこちらで視聴できます。「日本人なら必ず誤訳する英文・決定版 特別編」など、ほかのものはこちらにあります。
朝日カルチャーセンター1月期の公開講座「文芸翻訳教室・英語と日本語のはざまで」は、引きつづき受付中です(おそらく当日朝まで受けつけます)。
3月7日(新宿) 15時30分から17時
3月14日(横浜)15時30分から17時
今回の内容は「誤読しやすい英文」「中級者3人の訳文検討」「『アナと雪の女王』翻訳秘話(後編)」。予習不要で、どなたでも参加できます。
朝日カルチャーセンターの4月期講座は2月20日ごろに受付を開始します。
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今年も『文芸翻訳教室』特別勉強会を開催します。以下の日程でおこないます(どれかひとつにご参加ください)。
・東京・夜―――3月19日(木) 19:00~20:40【2月28日追記 中止となりました】
・東京・午前――3月24日(火) 10:00~11:40【2月28日追記 中止となりました】
・大阪・夜―――4月24日(金) 19:00~20:40【3月23日追記 中止となりました】
くわしい内容とお申しこみ方法については、このページを見てください。
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先日、『この英語、訳せない!』のインデックスを公開しました。エクセル版、テキスト版、EPWING版の3種類があります。どなたでもご自由にダウンロードしてください。このページにあります。
『この英語、訳せない!』刊行に合わせて作成した動画「この英語訳せない! 特別編」の販売サイトはこちら。YouTubeのサンプル動画はこちらで視聴できます。「日本人なら必ず誤訳する英文・決定版 特別編」など、ほかのものはこちらにあります。
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NHK「基礎英語2」テキストの翻訳者リレー連載「あなたに捧げる小説ガイド」(越前敏弥→芹澤恵→金原瑞人→ないとうふみこ→白石朗→三辺律子)は、好評につき、4月号からも継続が決まっています。来月中旬に出る4月号には越前のインタビューも載ります。
去年につづき、今年も『文芸翻訳教室』特別勉強会を開催します。今年は1回だけで、原則としてどなたでも参加できます。特に、今後の朝日カルチャーセンターの「英米小説の翻訳」クラスの受講を検討している人はぜひ参加してください。
【日時】
・東京・午前――3月24日(火) 10:00~11:40【2月28日追記 中止となりました】
・東京・夜―――3月19日(木) 19:00~20:40 【2月28日追記 中止となりました】
・大阪・夜―――4月24日(金) 19:00~20:40
【会場】
東京――表参道駅付近の会議室(渋谷駅からも徒歩可)
大阪――西梅田駅・北新地駅付近の会議室(大阪駅からも徒歩可)
【参加費】
2,500円(会場費・コピー代などを含む。当日、現金でお支払いください)
【対象】
文芸翻訳学習初級者・中級者(昨年参加した人、朝日カルチャーセンターの翻訳講座受講生も参加可)。
【内容】
・『文芸翻訳教室』(研究社)、『翻訳百景』(角川新書)、『この英語、訳せない!』(ジャパンタイムズ出版)のうちどれか1冊を事前に熟読し、質問や意見交換をする(本は各自で購入してください)。越前のクラスをはじめて受講する人は、なるべく『文芸翻訳教室』を読んできてください。
・1回につき原書1ページ程度の英文課題の翻訳演習。昨年とは異なるクラシック作品です。添削指導はしませんが、時間のあるかぎり、全員の訳文にコメントします。
・シノプシスの実例配布とちょっとしたコメント。
・終了後には自由参加の懇親会あり。
【定員】
それぞれ15名程度。定員に達したら締め切ります。試験はおこなわず、原則として先着順です。
【申込方法】
翻訳百景のアドレス(office.hyakkei@gmail.com)宛にメールで申しこんでください。タイトルは「『文芸翻訳教室』特別勉強会参加希望」などとし、東京午前、東京夜、大阪のどれを希望するかを明記してください。
申込メールには、お名前(読みづらい漢字の場合は読み方も付記してください)のほかに、簡単な自己紹介を書いてください。その際、翻訳学習歴や翻訳関係の仕事歴(まったくなくてもかまいません)、好きな本(作品・作家・ジャンルなど、なんでもいいです)の2点に言及してください。字数は200字程度まででお願いします。
お申し込みを確認し、数日中に詳細についてお返事します。
(朝日カルチャーセンターの4月期講座は2月20日前後に受付を開始します)
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『この英語、訳せない!』刊行に合わせて作成した動画「この英語訳せない! 特別編」の販売サイトはこちら。YouTubeのサンプル動画はこちらで視聴できます。「日本人なら必ず誤訳する英文・決定版 特別編」など、ほかのものはこちらにあります。
今月27日(月)の夜20時30分ごろから21時ごろのあいだに、ヒューマントラストシネマ有楽町で、フランス映画〈9人の翻訳家〉上映後に、この映画の字幕翻訳を担当した原田りえさんとの対談トークがあります。この映画は、ダン・ブラウン『インフェルノ』の刊行当時にヨーロッパの翻訳者たちが半ば監禁されて翻訳作業をおこなった出来事がもとになっています(映画では情報漏洩と恐喝が描かれますが、その部分は完全なフィクション)。今回、わたしは推薦コメントやプログラム用の解説記事を書いたり、金原瑞人さん・平岡敦さんとの座談会に登場したり、さまざまな形で協力しています。
〈9人の翻訳家〉はミステリー映画としても非常に凝った作りで、まちがいなく二度、三度と観たくなる傑作です。ご都合のよいかたはぜひ27日のその回にお越しください。わたし自身が実際に監禁されそうになった話や、5カ国語以上をこなす原田さんの翻訳技巧の話、さらにはミステリーとしての魅力などにふれるつもりです。正確な時間帯がわかりましたら、ここに追記します。
【1月21日追記 27日の夜の回は18時40分開始です。その回は予告上映がなく、原田さんとのトークは20時30分ごろから約30分間の予定です】
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このあとの朝日カルチャーセンターでの対談や公開講座の日程は以下のとおりです。
◎だから翻訳は面白い 英語にしづらい日本語、日本語にしづらい英語
2月1日(土)15時30分から17時 朝日カルチャー新宿
・ジャパンタイムズ Alpha 編集長・高橋敏之さんとの対談。『この英語、訳せない!』刊行記念トークの締めくくりとして、以前 The Da Vinci Cod(『ダ・ヴィンチ・コード』のパロディ本)についての連載コラムのころに担当してくださった高橋さんとお話しします。これまでわたしが訳してきた作品や Alpha の記事などをもとに、まちがいやすい英語表現を具体的に紹介しつつ、お互いの体験談を紹介できたらと思います。翻訳学習者だけでなく、語学に興味のある人ならぜひご参加ください。予習不要です。
◎文芸翻訳教室・英語と日本語のはざまで
1月25日(土)10時30分から12時 朝日カルチャー中之島
・各教室で3か月に1度開催している公開講座。毎回内容が異なり、「英米小説の翻訳」クラスのオリエンテーションも兼ねています。今回は「誤読しやすい英文」「中級者3人の訳文検討」「『アナと雪の女王』翻訳秘話(後編)」の3つを扱います。予習不要です。
「英米小説の翻訳」(要予習)の内容や日程についてはここを見てください。途中からの参加も可能です。
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ないとうふみこさんとの共訳でつづけてきた〈アナ雪3部作〉の最後を飾る『小説 アナと雪の女王2』が角川文庫から刊行されました。映画第1作に基づく『小説 アナと雪の女王』、ふたつの映画をつなぐオリジナルストーリー『小説 アナと雪の女王 影のひそむ森』とともにぜひ楽しんでください。
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『この英語、訳せない!』刊行に合わせて作成した動画「この英語訳せない! 特別編」の販売サイトはこちら。YouTubeのサンプル動画はこちらで視聴できます。「日本人なら必ず誤訳する英文・決定版 特別編」など、ほかのものはこちらにあります。
今年もどうぞよろしくお願いします。
今年はまず、今月中旬に『小説 アナと雪の女王2』(ないとうふみこさんとの共訳、角川文庫)が刊行されます。すでに出ている『小説 アナと雪の女王1』『小説 アナと雪の女王 影のひそむ森』と合わせて楽しんでください。『1』『2』は映画のノベライゼーションで、『影のひそむ森』はふたつの映画のあいだに起こった出来事を描いたオリジナル書きおろし小説です。大人が読んでもじゅうぶん堪能できる作品です。
そのあと、今年は1950年代アメリカ作家のアンソロジーや映画のストーリー技術書などを翻訳刊行する予定です。そのほか、いくつかの古典新訳や子供向けミステリーなどを準備していますが、そのうちどれかを今年じゅうに出せるかもしれません。
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昨年末に作った動画「この英語、訳せない!」特別編もよろしくお願いします。ジャパンタイムズから出た『この英語、訳せない!』に準拠して説明した動画(50分程度、500円)で、本との内容の重複はほとんどありません。7分間の無料サンプル版はここ。くわしい内容についてはこの記事を見てください。12月に名古屋と東京で開催したトークイベントとほぼ同じなので、参加できなかった人やほかの地域のかたはぜひどうぞ。
以前から販売している「日本人なら必ず誤訳する英文・決定版」特別編については、ひとつの動画にまとめたもの(130分程度、1,000円)の販売を開始しました。無料サンプル版はここ。
すべての動画はこのサイトにまとまっています。ダウンロード30日間という表記がわかりにくいのですが、申込から30日間ダウンロードという意味であり、いったんダウンロードしたものは無期限で視聴できます。
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今月から来月にかけてのトークイベントは以下のとおりです。
1月17日(金) 橋本美穂さん(通訳者)と対談@三省堂神保町本店
1月25日(土) 文芸翻訳教室・英語と日本語のはざまで@朝日カルチャーセンター中之島教室
1月26日(日) はじめての海外文学スペシャル in 大阪@蔦屋書店梅田
2月1日(土) 高橋敏之さん(ジャパンタイムズ Alpha 編集長)と対談@朝日カルチャーセンター新宿教室
朝日カルチャーセンターのそのほかの講座については、ここにまとまっています。いまからでも申込可能ですが、講座によっては予習教材の関係で途中参加になります。各教室にお問い合わせください。
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今年も去年と同様、「文芸翻訳教室」特別勉強会を開催します。今年は1回だけの開催で、東京は3月19日(木)の夜と3月24日(火)の午前。大阪は4月24日(金)の夜。去年とは異なる内容で、今回は朝日カルチャーの現役受講生も含めて、どなたでも参加できます。くわしくは後日お知らせします。
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NHK基礎英語2のテキストでリレー連載している翻訳者による海外作品紹介記事は、好評のため、同じメンバー6人(越前敏弥→芹澤恵→金原瑞人→ないとうふみこ→白石朗→三辺律子)で継続します。
また、今春から、中級程度の英語学習者でも読みやすい原書紹介(訳書が出ていても可)のネット記事を月に1回書くことになっています。
その他、はじめての海外文学、読書探偵作文コンクール、全国読書会めぐりなどを、例年どおり時間があるかぎりつづけていきます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
「日本人なら必ず誤訳する英文・特別編」という学習用動画の公開販売を開始しました。販売サイトはこちらです。
https://filmuy.com/honyaku-hyakkei
先日刊行された『日本人なら必ず誤訳する英文・決定版』に準拠していますが、本を購入していなくても問題なく視聴できます。
10~15分程度の動画が11本あり、計35問について解説しています(PART A が基礎編、PART B が応用編)。合わせて2時間余りになります。
サンプル版をYouTubeで公開しています。よかったら、まずこれを観てください。
https://youtu.be/H_zYN7QaZo8
このような動画の作成を考えたのは、東京・大阪以外に住んでいらっしゃる複数のかたから、講座を受けたいけれど地理的になかなかむずかしいので、オンラインで何かできないかというご要望があったからです。
今回は『決定版』の刊行に合わせて、こういう内容のものを公開しましたが、いずれ文芸翻訳の講座をこれに似た形で作ることも考えています。
今回の「特別編」は、PART A が先日の『決定版』刊行記念特別講座とほぼ同内容、PART B が以前朝日カルチャー各教室でおこなった「誤訳はなぜ起こるか」と半分ぐらい同内容です。
先日の刊行記念講座を受けられなかった人をはじめ、誤読・誤訳を少しでも減らしたいと思っている人は、ぜひこのサイトからご購入ください(2時間余りの動画で1,000円です)。
『決定版』刊行に合わせて急いで作成したこともあって、味も素っ気もない作りですが、本気で勉強したい人にとってはこれでじゅうぶんだと思っています。
どうぞよろしくお願いします。