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  • 越前敏弥
    文芸翻訳者。 いまのところ、更新は週1、2回程度です。 ご感想・お問い合わせなどは office.hyakkei@gmail.com へお願いします。
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新刊・イベント・講座情報

2017年3月21日 (火)

4月の大阪連続トークイベント

 4月下旬に、大阪駅付近で2日連続でトークイベントをおこないます。会場も内容もまったく別です。 

 まず4月21日(金)の19時から20時30分まで、いつもの紀伊國屋グランフロント大阪店で、『世界文学大図鑑』の刊行記念トーク&サイン会があります。 

 聞き手は、20日ごろ刊行される予定の『世界文学大図鑑』(ジェイムズ・キャントン編、三省堂)の担当編集者・樋口真理さん。この「大図鑑」シリーズなど、海外の原著を翻訳した事典を刊行する際の特殊事情などをいろいろうかがえると思います。翻訳出版の現場をさまざまな角度からご存じのかたなので、おもしろい対談になるでしょう。もちろん、『世界文学大図鑑』の中身についても話もたっぷりします。 

 参加費は無料ですが、要予約で、整理券を発行します。参加を希望なさるかたは、紀伊國屋グランフロント大阪のサイトをご覧のうえ、店頭または電話でお申しこみください。

 

 翌22日(土)の17時30分から20時までは、梅田の蔦屋書店で「翻訳ミステリー大賞・読者賞まとめ&『おやすみ、リリー』発売記念イベント」と題した2本立てイベントをおこないます。 

 当日は東京で翻訳ミステリー大賞翻訳ミステリー読者賞が発表されますが、わたしは同日に朝日カルチャーセンター中之島教室で講座があるため、今年もそちらには参加しません。その代わりと言ってはなんですが、両賞が発表された直後に、大阪で関連イベントを開催することになりました。それが第1部です。 

 当日のくわしい進行はまだ決めていませんが、大賞候補作5作を支持する関西翻訳ミステリー読書会(大阪・神戸・京都)メンバー有志に、それぞれの作品の魅力をバトル形式で語り合ってもらうことになります(わたしは司会進行)。また、うまくいけば、授賞式直後の東京に電話をかけて、大賞や読者賞の関係者や受賞翻訳者・編集者などと公開で話をすることもしたいと考えています。 

 第2部は4月15日ごろ刊行予定の『おやすみ、リリー』(スティーヴン・ローリー著、ハーパーコリンズ・ジャパン)について、担当編集者の小野寺志穂さんと対談形式で進めます。翻訳刊行までの裏話やこの作品の魅力についてだけでなく、おもしろい作品を連発しているハーパーコリンズ社の翻訳出版全体に関してもお話しする予定です。 

  『おやすみ、リリー』の特設サイトはこちら。サンプル版のモニターにたくさんのかたが応募してくださり、すでに何人かの感想が掲載されています。 

 サイトに記載はありませんが、こちらでも終了後にサイン会をおこないます。 

「翻訳ミステリー大賞まとめ&『おやすみ、リリー』発売記念イベント」は参加費が1,000円(税込み)となります。告知ページをご覧のうえ、梅田蔦屋書店の店頭またはオンラインでお申しこみください。

 

 なお、4月27日(木)の第22回翻訳百景ミニイベントでは、上記の両編集者とともに、4月にクラウドファンディングがスタートする『外国の本っておもしろい! ~子どもの作文から生まれた翻訳書ガイドブック~』(仮題、予告ページはここ)の担当編集者をもお招きし、翻訳出版の現在について多角的に語っていただきます。 

 詳細はこちら。現時点で3分の2ぐらいのお席が埋まっているので、参加を希望なさるかたは早めにお申しこみください。

2017年3月13日 (月)

INFORMATION 2017-03-13

 5月21日に講演に出向く予定の福岡の図書館からの依頼で、最近ツイッターで話題になっている #翻訳者POP をまとめて11枚書いたので、画像を並べます。アップロードの容量制限があるため、4枚以外はツイートへのリンクです。そのままプリントアウトして端をそろえるか、文面を転記するなど、どんな形でもかまいませんから、書店や図書館などでご自由にお使いください。 

 自分で書いてみてわかりましたが、これは短いことば、短い時間で本を薦める訓練になりますね。今後の翻訳のクラスや読書会などで採り入れてみてはどうかと検討中です。

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『天使と悪魔』『ダ・ヴィンチ・コード』『ロスト・シンボル』『インフェルノ』 

『ローマ帽子の秘密』『エジプト十字架の秘密』『中途の家』 

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 4月27日の第22回翻訳百景ミニイベントは、現時点で半分弱のお席が埋まっています。翻訳出版の現在について、三省堂、ハーパーコリンズ・ジャパン、サウザンブックスなどの4人の編集者のみなさんからお話をうかがいます。同業者や学習者の人はもちろん、翻訳出版や海外文化について少しでも興味のあるかたはぜひお越しください。 

 内容や申込み方法の詳細についてはこの記事を見てください。 

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 NHK文化センター青山教室で、4月1日(土)の午前に一般講演「翻訳の世界への招待~『翻訳百景』こぼれ話」があります。翻訳や語学の勉強の経験がまったくない人も気軽にお越しください。 

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 朝日カルチャーセンター4月期の文芸翻訳講座と一般向け講演については、新宿教室横浜教室中之島教室それぞれのページで講師名を入れるなどして検索してください。
 月1回の「英米小説の翻訳」、2回完結のオリエンテーションクラス「文芸翻訳のツボ」、一般向け講演「翻訳百景 英語と日本語のはざまで」の3種類があります(4月期の「翻訳百景」は新宿、横浜のみ)。
 

 クラス内容の詳細についてはこの記事を見てください。

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 現在、翻訳ミステリー読者賞の投票を受付中で、今年の締め切りは3月15日です。2016年1月から12月に刊行された翻訳ミステリーで、ご自分がベストと思う1作品を投票してください。メールまたはツイッターでの投票ができます。

 要項をお読みになったうえで、メールの場合は該当の宛先へ送ってください。ツイッターの場合はハッシュタグ #読者賞2017 をつけてツイートしてください。

 なるべく作品名、作者名、翻訳者名、出版社名を並べて書いてもらえるとありがたいです。

 翻訳ミステリー読者賞は、全国翻訳ミステリー読書会のメンバーが中心となって運営している賞で、初心者も含めただれでも投票できます。翻訳出版の世界を活気づけていくために、ぜひご協力ください。

2017年3月 6日 (月)

第22回翻訳百景ミニイベントのご案内

 第22回翻訳百景ミニイベントを以下の内容で開催します。いまから受付を開始します。

 今回は、4月に出るわたしの新刊訳書2冊と、まもなくクラウドファンディングがはじまる『読書探偵作文コンクール優秀作品集』(仮題)の担当編集者をお招きし、翻訳出版の現在についてさまざまな角度から話していただきます。

日時: 2017年4月27日(木) 19時から20時30分
会場: 東京ウィメンズプラザ(表参道駅から徒歩7分、渋谷駅から徒歩12分)
参加費: 500円

定員:90名(満席になりしだい締め切らせていただきます) 

ゲスト:

樋口真理さん(三省堂、『世界文学大図鑑』担当)

小野寺志穂さん(ハーパーコリンズ・ジャパン、『おやすみ、リリー』担当)

古賀一孝さん(サウザンブックス、翻訳書クラウドファンディング担当)

鹿児島有里さん(フリー編集者、『読書探偵作文コンクール優秀作品集』担当)

 辞書や事典などを多く扱う版元、海外に本社がある版元、クラウドファンディングの版元という、きわめてバラエティに富んだ3つの出版社のそれぞれの事情を同時に聞ける機会はなかなかないと思います。

 構成としては、3社それぞれについて、わたしとの対談の形で話をうかがったあと、全員そろってのQ&Aの時間をたくさんとるつもりです。わたし自身も聞きたい話がたくさんあり、とても楽しみにしています。

 お申しこみのメールは office.hyakkei@gmail.com 宛にお願いします。メールのタイトルは、「第22回イベント申し込み」「4月27日申し込み」など、わかりやすいものにしてください。その際、氏名(ハンドルのみは不可)と、当日連絡のつきやすい電話番号または携帯メールアドレスをかならず書いてください(PCと同じアドレスの場合は「PCと同じ」などとひとこと入れてもらえるとありがたいです)。

 各編集者のかたへの質問も募集しています。お申しこみのメールに書き添えてもらえれば、当日の進行の参考にさせていただきます。ただし、時間の制約がありますので、すべての質問にはお答えできない可能性があることをご了承ください。

2017年3月 1日 (水)

朝日カルチャーセンター4月期の翻訳講座

 朝日カルチャーセンター2017年4月期の翻訳講座の申しこみ受付がはじまりました。今期から、東京・新宿教室と大阪・中之島教室に加えて、横浜教室も開講します 

 今期から一部の講座の内容・時間帯が変更されたので、継続受講の人も注意してください 

 新宿教室についてはこのページ、横浜教室についてはこのページ、中之島教室についてはこのページで、フリーワード検索に講師名を入れてもらえれば、4月期の全講座が表示されます。  

 3教室とも、「文芸翻訳のツボ」と「英米小説の翻訳」の2つのクラスが毎期開講し、そのほか、一般向け講演の「翻訳百景・英語と日本語のはざまで」がおこなわれる場合があります(4月期は新宿・横浜のみ)。  

「文芸翻訳のツボ」は今期から2回完結のオリエンテーションクラスとなり、小説を中心とする文芸翻訳を手がけるにあたって留意すべきことをざっと学びます。 予習教材はまったくありません。教材は当日配り、その場でいっしょに考えていきます。空きさえあれば、直前の申しこみでもだいじょうぶです。越前の講座をはじめて受講する人はなるべく受けてください(「英米小説の翻訳」との同時受講も可)。新宿・横浜では1期につき2回、大阪では2期にわたって1回ずつ開講します。 

「英米小説の翻訳」は、新宿と横浜は1時間半(または1時間20分)×3回、大阪は3時間×1回の形でおこないます(大阪は扱う英文の長さが約3分の2です)。原則として、長短編小説の一部をていねいに訳し、全員の訳文を全員に配布して細かく検討していきます。4月期は、『ダ・ヴィンチ・コード』のパロディ本 The Da Vinci Cod を扱います(数年前にも扱いましたが、今回はそれとは別の個所です)。 新宿は火曜午前・水曜夜・土曜午後の3クラス、横浜と中之島は土曜午後の1クラスです 

「英米小説の翻訳」は、大阪では、英文の訳読のほかに、毎回指定した本(おもに翻訳書または周辺書)を読んできて簡単に感想を言ってもらう時間を少しとります。課題書はこのブログの右側に載せてあり、4月期は『文芸翻訳入門』(藤井光ほか著、フィルムアート社)です。現時点ではまだ刊行されていなくて、3月下旬に入手できます。
 東京・横浜では、講座内では感想を言ってもらう時間をとらず、同じ課題書を使って、別枠で非公開・自主参加の読書会をおこないます。これについては各講座の1回目に説明します。 
 

 両クラスとも、『翻訳百景』『日本人なら必ず悪訳する英文』が必修テキストです(当日持参する必要はありません)。どちらもなるべく受講前に熟読してきてください。 

 一般講演「翻訳百景 英語と日本語のはざまで」は、翻訳の仕事にまつわるエピソードなどを英文の実例とともに紹介していくもので、毎回内容が異なります。語学の知識が少し必要ですが、どなたでも参加できます(予習不要)。

 

◎「文芸翻訳のツボ」の日程とお申しこみページは以下のとおりです。 

新宿(4月1日&5月6日、15時15分から16時45分) 

横浜(5月13日&5月27日、13時30分から15時) 

中之島(4月22日、10時30分から12時)

 

◎「英米小説の翻訳」の日程とお申しこみページは以下のとおりです(中之島は時間帯が変わりました)。 

新宿火曜午前(4月4日&5月2日&6月6日、10時から11時30分) 

新宿水曜夜(4月12日&5月10日&6月14日、19時40分から21時) 

新宿土曜午後(4月1日&5月6日&6月3日、12時30分から14時) 

横浜(5月13日&5月27日&6月10日、15時15分から16時45分) 

中之島(4月22日、13時から16時)

 

◎一般講演「翻訳百景 英語と日本語のはざまで」のお申しこみページは以下のとおりです(今回は新宿・横浜のみで、中之島で1月期におこなったものとほぼ同内容です)。 

新宿(6月3日、15時30分から17時) 

横浜(4月8日、13時30分から15時)

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2017年2月24日 (金)

「おやすみ、リリー」特設サイト&読者モニター募集

【2月28日追記】『おやすみ、リリー』の読者モニター募集は、3月3日(金)正午に締め切ります。予想をはるかに上まわる反響があったため、定員を50名から100名に増員しました(抽選制)。

 4月15日刊行予定『おやすみ、リリー』(スティーヴン・ローリー著)の特設サイトがハーパーコリンズ・ジャパンのオフィシャルサイト内にオープンし、読者モニターの募集がはじまりました。特設サイトはここです。

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 原題は Lily and the Octopus。心やさしいゲイの青年テッドと、天真爛漫なダックスフントのリリー、そして謎のタコの三者を主人公とした楽しくも哀しい物語です。リリーもタコもごくふつうに会話をする、不思議な味わいの作品で、動物を飼っている(いた)人はもちろん、性別や年齢やライフスタイルに関係なく、多くの人たちの共感を呼べる作品です。 

 この作品の全文を収録したサンプル版ができあがり、事前に読んでいただく読者のかた50名を募集しています。応募はツイッターとメールのどちらでもかまいません。詳細については特設サイト内の案内をご覧ください。 

 上の書影の右にある文は、訳者あとがきの冒頭部分です。このような作品、自分にとって記念すべき作品を訳す機会が久々に訪れ、日本の皆さんに広く紹介できることをうれしく思っています。読者モニターとして、いち早くこの作品を手にとってくださることをお薦めします。

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2017年2月20日 (月)

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 あす発売される《通訳・翻訳ジャーナル》2017年春号に「小説を訳そう 越前敏弥の文芸翻訳ドリル」第4回が掲載されています。今回はダン・ブラウン『天使と悪魔』から。

  「文芸翻訳ドリル」は、これまでは10行程度の英文の生徒訳と講師訳を比較して解説する形でしたが、次号でリニューアルし、おもに小説で見られる誤訳・悪訳や、逆にすぐれた名訳の例などを思いつくままにいくつか紹介していきます。引きつづき、どうぞよろしくお願いします。

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 NHK文化センター青山教室で、4月1日(土)の午前中に、一般講演「翻訳の世界への招待~『翻訳百景』こぼれ話」をおこないます。去年の夏に京都教室で開催したものと似た内容です。翻訳や語学の勉強の経験がまったくない人も、どうぞ気軽にお越しください。

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 朝日カルチャーセンターの4月期の講座受付がすでにはじまっています。今期から横浜でも開講します。それぞれの公式サイト(新宿中之島横浜)の「講座を探す」に講師名を入れて検索してください。

 内容の詳細については、後日このブログに書きます。

 なお、朝日カルチャーセンターとNHK文化センターでの講演・講座の内容は重複しないので、よかったら両方にご参加ください。

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 DOTPLACEの連載〈出版翻訳あれこれ、これから〉(全10回)が先日完結しました。まとめて読みたいかたは、この記事を見てください。

2017年2月 5日 (日)

「映画日和、翻訳日和」+日活ロマンポルノ・マイベストテン

 きのう、朝日カルチャーセンター新宿教室で、中田秀夫監督との対談「映画日和、翻訳日和」がおこなわれました。おそらく翻訳に興味のある人と映画に興味のある人が混在する形で、広めの部屋がほぼ満席となり、7割程度が女性でした。来てくださったみなさん、ありがとうございました。 

 中田監督と出会った蓮實映像論ゼミや同人誌《映画日和》(もちろん小津安二郎の〈秋日和〉から採ったもの)の話を皮切りに、中田監督のイギリス留学時代、ハリウッド時代、そして帰国後の話から最新作〈ホワイトリリー〉(2月11日公開)の話まで、いくつかの動画を交えて、盛りだくさんの内容でしたが、用意していた話の半分ぐらいしかできなかったのがちょっと残念です。 

 翻訳者としては、中田監督の唯一の訳書『追放された魂の物語 映画監督ジョセフ・ロージー』のことや、〈ホワイトリリー〉の英語版字幕を担当なさった蔭山歩美さん(参加者として客席にいらっしゃいました)からのお話を聞けたのも大きな収穫でした。 

  〈ホワイトリリー〉のあたりでは、昨年末からの日活ロマンポルノ・リブートの総括や今後の展望の話もしたかったのですが、あまりできなかったのが心残りなので、旧ロマンポルノのマイベストテンのことをもう少しだけ書いておきます。自分は10代の後半からずっと、旧ロマンポルノの作品を浴びるように観て育ち、それがいま湧き出ることばや文章(もちろん翻訳も含めて)の核のひとつだと信じているし、誇りにも思っているからです。

「20170204.pdf」をダウンロード

 上のファイルはきのう配布した資料3枚で、1枚目が中田監督のプロフィールとフィルモグラフィー、2枚目が越前のプロフィールと著訳書リスト、そして3枚目が両者が選んだロマンポルノ10本です。中田監督の10本は、コメントも含めて、昨年出た《映画芸術》457号から転載させてもらいました。

 わたしが選んだ10本は、マイベストテンではありますが、以下の3つの条件で選んでいます。

 (1)1監督1作

 (2)中田監督が選んだ作品と重複しない

 (3)なるべくロマンポルノ初心者向き

【中田秀夫が選ぶロマンポルノ10本】(《映画芸術》457号・2016年夏)
生贄夫人('74 小沼勝)
  『雨月物語』の森雅之のような雰囲気を要求された坂本長利さんに。
発禁本「美人乱舞」より 責める!('77 田中登)
  雪原に長時間吊るされ、田中登を包丁で追いかけた宮下順子さんに。
女地獄 森は濡れた('73 神代辰巳)
  そのアナーキーイズムから、日活に一週間未満で、上映を諦めさせたことに。
天使のはらわた 赤い教室('79 曾根中生)
  水原ゆう紀さんの極上の「白痴美」に。
おんなの細道 濡れた海峡('80 武田一成)
  シビレさせられる挿入歌に。
箱の中の女 処女いけにえ('85 小沼勝)
  逃げた女優を捜索に、横田基地に行った青春の思い出に。
恋人たちは濡れた('73 神代辰巳)
  映写機が止まり、フィルムが萌える場面で、この映画が燃えた文芸地下に。
濡れた荒野を走れ('73 澤田幸弘)
  反ベトナム戦争の思想に。
㊙色情めす市場('74 田中登)
  田中さんの魂に。
闇に抱かれて('82 武田一成)
  アントニオーニふう、イタリア映画の香りに。

【越前敏弥が選ぶロマンポルノ10本】
鏡の中の悦楽('82 西村昭五郎)
狂った果実('81 根岸吉太郎)
ラブホテル('85 相米慎二)
一条さゆり 濡れた欲情('72 神代辰巳)
ピンクサロン 好色五人女('78 田中登)
夢野久作の少女地獄('77 小沼勝)
㊙女郎市場('72 曾根中生)
桃尻娘('78 小原宏裕)
赤いスキャンダル・情事('82 高林陽一)
もっとしなやかに もっとしたたかに('79 藤田敏八)
番外 ドレミファ娘の血は騒ぐ('85 黒沢清)

 わたしが選んだリストについて、少しだけ補足解説をさせてもらいます。

・いちばん上の3作は、いつ選んでもかならず入れる「不動のベスト3」。たいがいベストワンにする「鏡の中の悦楽」についてかつて書いた文章はこれ。日活ロマンポルノ史上最も多くの作品を監督した西村昭五郎と最も多くの脚本を書いた桂千穂のコンビによる最高傑作だと信じています。

・4作目から6作目については、神代・田中・小沼作品のなかで、ロマンポルノをはじめて観る人に適していると考えるものを選びました。神代作品では〈赤線玉の井 ぬけられます〉、田中作品では〈屋根裏の散歩者〉、小沼作品では〈さすらいの恋人 眩暈〉とどちらにするか、最後まで迷いました。〈ピンクサロン 好色五人女〉は、井原西鶴の原作では5つの独立した話に登場する5人を1か所にまとめて話を展開させるという、いどあきお脚本が冴えに冴えた作品で、日本シナリオ史に残る傑作だと思っています。

・7作目と8作目は、はじめて観る人にはコメディからという手もあるので、特に勧めたい2作を。9作目と10作目は、ほかのジャンルで高く評価された監督たちがロマンポルノでもこんな傑作を撮っている、という代表として選んだつもりです。特に〈もっとしなやかに もっとしたたかに〉は、おそらくいまならR-15指定にさえならない、PG12あたりになる気がし、はじめて観る人にとっては非常にハードルの低い作品だと思います。

・最後は、そもそもロマンポルノとして公開されていないということで番外にしてあります。もともとは別のタイトルで買いとり作品として制作されましたが、おそらくエロティックな部分があまりにも少なかったせいで公開できず、その後、再編集して一般映画として公開されました。

 ここにあげられなかった旧作のなかにも、日本映画史に残る秀作はたくさんあり、また、今回のリブート5作は粒ぞろいの佳作ばかりなので、ぜひ機会があったら上映館に足を運んでみてください。

 ※きのうのトークイベント時に参加者のみなさんにお知らせした非公開のスペシャルイベントに参加したいかたは、 office.hyakkei@gmail.com へ20日(月)までにご連絡ください(折り返しお返事します)。現時点で女性2名から参加表明がありました。この件については、親しいご友人などを誘ってくださってもかまいませんが、SNSやブログなどで不特定多数の人に知らせるのは控えてくださるようお願いします。

2017年1月27日 (金)

INFORMATION 2017-01-27

 アルク「翻訳・通訳のトビラ」のサイトに、12月の「はじめての海外文学スペシャル」の詳細なレポートが掲載されました。少し前に公開されていた動画のほか、登壇した翻訳者19人全員の推薦書と紹介内容が載っています。今後の読書ガイドとしてぜひ活用してください。 

翻訳・通訳のトビラ」には、一昨年の「ことばの魔術師 翻訳家・東江一紀の世界」トークイベントのレポートなど、役に立つ記事が満載です。 

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 2月4日(土)の15時30分から朝日カルチャーセンター新宿教室でおこなわれる中田秀夫監督との対談「映画日和、翻訳日和」は、まだまだ募集中です。もちろんジャパニーズ・ホラーのことや新作〈ホワイトリリー〉のことも話しますが、そのほか、通常の中田監督やわたしのトークイベントではまったく出ないであろう話題がたくさん出ると思います。たとえば、 

・学生時代にふたりがどんな映画を観て、それがいまのそれぞれの仕事にどう役立っているか 

・中田監督のイギリス留学時代と、その時期に撮ったドキュメンタリー「ジョセフ・ロージー 四つの名を持つ男」や、翻訳した『追放された魂の物語 映画監督ジョセフ・ロージー』について 

・中田監督がハリウッドで仕事をしていた時代にどんな苦労があったか(言語、文化、映画界のビジネス慣行などなど) 

・中田・越前のそれぞれが選ぶ日活ロマンポルノのベストテン 

 などなど。このほか、新作〈ホワイトリリー〉の英語版字幕を担当した蔭山歩美さんから、翻訳の仕事を引き受けてから完成するまでのエピソードをいくつか披露していただきます。 

 ぜひご参加ください。お申しこみはこのページから。電話でも受けつけています。

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 まもなく発売されるアルク『翻訳事典』2018年度版に寄稿しています。今回は「翻訳者になるためにはまず何をすべきか?」という初心者向けのページに、翻訳の勉強をはじめるにあたっての心構えを書いています。

2017年1月23日 (月)

松山読書会に参加して感じたこと

 先週末、松山でおこなわれた翻訳ミステリー読書会(課題書『ストリート・キッズ』ドン・ウィンズロウ著、東江一紀訳、創元推理文庫)に参加してきました。

 翻訳ミステリー大賞シンジケートが後援する形でおこなわれている翻訳ミステリー読書会は、現在全国で20か所以上あり、松山の読書会はいちばん新しく発足したところです。ここは以前から「心が旅する読書会」として、国内・海外の両方の作品を課題書にして開催されてきましたが、翻訳ミステリーを課題書にするときには提携するという形でスタートしました。全国の読書会のなかでも、それに似た形のところがいくつかあります。

 今回の参加者は、わたしも含めて12人でした。ほかの11人の内訳をざっと説明すると、以下のようになります。

・世話人(「心が旅する読書会」世話人と兼任、愛媛県在住)1人

・「心が旅する読書会」の以前からの参加者 3人(全員が愛媛県在住)

・翻訳ミステリー大賞シンジケートの告知を見て、今回はじめて参加した人 5人(愛媛2人のほか、東京・愛知・福岡から各1人)

・世話人と別のイベント(古本市)で知り合って誘われ、今回が初参加(愛媛県在住) 1人

・「松山 読書会」のキーワードで検索して、この日のことを知った(最近松山市に引っ越してきたばかり) 1人

 わたしは毎年5、6回、全国各地の読書会をまわっていますが、この内訳はほかの読書会の構成とも似ていて、全国翻訳ミステリー読書会の縮図だとも言えます。ここから読みとれることをふたつ書いてみます。

・シンジケートの告知を見て参加している人の多くはもともと翻訳ミステリーが好きだが、そのほかの人たちはかならずしもそうではなく、ふだんは日本人作家の作品、それもミステリー以外のものを多く読んでいる人がほとんど。まったく本を読まない人たちに翻訳書をいきなり紹介するのはなかなかむずかしいが、もともとある程度国内作品を読んでいる人に海外作品を紹介するのは比較的簡単。その意味でも、課題書として国内と海外を交互に選ぶ形は理想的かもしれない。 

・最後のかたのように、キーワード検索で読書会を探している人には、全国各地でほぼ毎回会う。本についてだれかと話したい、そういう場があったら参加したいと思っている人は予想以上に多い(しかも、大半は若年層)。だから、少人数の見切り発車でもかまわないので、読書会の場さえ作って継続的に開催していれば、かならず人は集まる。去年の夏に熊本の読書会へ行ったときも同じことを感じた。

 もともと海外作品が好きな人と、あまり読んだことのない人が半々で混じっているぐらいの構成は、この種の読書会では理想的だと思います。今回の松山読書会でも、はじめてドン・ウィンズロウの作品を読んだ人たちの多くが、ニール・ケアリー・シリーズの続きや東江さんのほかの訳書を読んでみたいと言っていました。

 翻訳ミステリー好きの人も、まったくの初心者の人も、ぜひどこかの読書会に一度参加してみてください。また、自分の住む地域でも世話人として読書会をはじめたい人は、可能なかぎりのお手伝いをしますので、メールで翻訳ミステリー大賞シンジケート(honyakumystery@********)、またはこの翻訳百景(office.hyakkei@********)にご連絡ください(********の部分は、ともにgmail.com)。

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2017年1月17日 (火)

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 DOTPLACEの連載〈出版翻訳あれこれ、これから〉の第9回「出版翻訳者の心がけるべき8か条(前編)」が公開されました。
 今回は特に翻訳学習者やキャリアの短い人、ぜひ読んでください。後編は2月15日に掲載される予定で、それがこの連載の最終回になります。
〈出版翻訳あれこれ、これから〉の過去の記事は以下のとおりです。未読のかたは合わせてどうぞ。
 

 第1回「翻訳小説のおもしろさを伝えるために
 第2回「
翻訳書が出るまで
 第3回「
翻訳出版の企画を立てるには
 第4回「
翻訳書の読者を育てるには
 第5回「
出版翻訳の印税や契約について
 第6回「
全国翻訳ミステリー読書会
 第7回「
はじめての海外文学について
 第8回「
《BOOKMARK》、サウザンブックスほか 

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 2月4日(土)の中田秀夫監督との公開対談「映画日和、翻訳日和」は、まだまだお席があります。非常に珍しい機会なので、ぜひお越しください。くわしい内容についてはここに書きましたが、そのほか、新作〈ホワイトリリー〉の英語版字幕に関する話も少しすることになりました。お申しこみは朝日カルチャーセンター新宿教室へお願いします。 

 朝日カルチャー大阪中之島教室の1月期翻訳講座「英米小説の翻訳」は、今月28日(土)の午後2時30分から5時30分までの3時間です。予習教材があるので、参加を希望なさるかたは早めにお申しこみください。 

 また、同じ28日の午後0時30分から2時まで、定期開催の一般講演「翻訳百景 英語と日本語のはざまで」があります(半年前におこなったものとまったく別内容です)。こちらは少しだけ語学の知識が必要ですが、どなたでも予習なしで参加できます。お気軽にお越しください。 

 朝日カルチャーの翻訳講座の内容について、詳細を知りたいかたはこの記事を見てください。

より以前の記事一覧