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2020年1月27日 (月)

〈9人の翻訳家〉の結末について

 映画〈9人の翻訳家 囚われたベストセラー〉が公開されました。
 この映画が作られた背景については、前回のこの記事を参考にしてください。
 ここまでのところ、観た人の評判は非常によく、二転三転する仕掛けにみごとにだまされる極上のミステリーという評価が大半であるようです。
 大仕掛けだけでなく、細かい部分についてもさまざまな伏線や含意が組みこまれていて、おそらく一度観ただけではすべてを見抜くことはできない作品なので、ぜひ二度、三度と観ていただきたいです。
 ところで、この映画の終盤に、謎解きの一環としてアガサ・クリスティの某有名作品の内容が関係してくる個所があります。その個所がどういうことなのか、わたしは数回観ても確信が持てず、試写を観たある書評家のかたと話したところ、そのかたも2回観たうえでご自身の解釈を教えてくださったのですが、それはわたしの解釈とまったく異なるものでした。
 気になったので、配給会社を通じて、その点についてこの作品のレジス・ロワンサル監督に質問したところ、なんと、その回答はわたしの解釈とも書評家のかたの解釈ともちがっていました。ただし、監督によると、これにはいろいろな解釈が成り立つので、われわれのどちらもまちがいというわけではないとのことでした。ひょっとしたら、この3つ以外の解釈もありうるのかもしれません。
 そのことについて書くにあたっては、この映画の結末、そしてそのクリスティ作品の結末を両方明かさざるをえないので、下にリンクを張って、そこにファイルを入れます。映画〈9人の翻訳家〉を観て、かつ、そのクリスティ作品の犯人を知っている人だけ、ご覧ください。【ネタバレ注意】 

ダウンロード - 920translators.pdf

 この個所だけでなく、映画〈9人の翻訳家〉は、ミステリー好きの人、海外文学好きの人、そして翻訳という仕事に興味がある人、いずれもが楽しめるディテールが満載の作品です。また、そのクリスティ作品やダン・ブラウン作品を読んでいなくても、まったく問題ありません。ぜひご覧になって、見終わった人と感想を語り合ってください。

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