今年もどうぞよろしくお願いします。2019年の著訳書刊行やイベントなどの予定を簡単に書きます。
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まず、1月4日ごろに集英社から『おやすみの歌が消えて』(リアノン・ネイヴィン著)が刊行されます。小学校での無差別銃撃事件を体験し、兄を失った6歳の少年を語り手とする物語です。事件後、少年は恐怖やとまどいや怒りや苦悩を感じつつ、家族との葛藤のなかで日々成長していきます。
少年が語り手であることと、大人向きの一般小説(ミステリーではありません)であることを考え合わせ、原則として小学校3年までの漢字と低学年レベルの語彙だけを使って訳しました。
全世代に自信を持ってお勧めできる作品です。この本については後日あらためて書きます。
2月には三省堂から『世界史大図鑑』が出る予定です。一昨年の『世界文学大図鑑』の姉妹編で、形式やページ数も同じです。世界史のおさらいができるのはもちろん、西洋人から見た世界史がわれわれの教わった世界史とどんなふうに異なっているかを比べてみるのもいいと思います。
そのほか、ミステリーの文庫化や、英語表現にまつわる著書も準備中です。
12月に刊行された『大統領失踪』(ビル・クリントン&ジェイムズ・パタースン著、早川書房)と『ストーリー』(ロバート・マッキー著、フィルムアート社)も引きつづきよろしくお願いします。
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朝日カルチャーセンター(新宿・横浜・中之島)の文芸翻訳講座は、引きつづき1月期のクラスの受付をおこなっています。要予習の「英米小説の翻訳」、予習不要の一般講演のほか、去年好評だった公開対談「だから翻訳は面白い」のシリーズ化が決まっています。お相手は、去年の第1回が代田亜香子さんと、2月2日の第2回が早川書房の編集者・山口晶さん。なるべく1期(3か月)に1度はやりたいと思っています。
朝日カルチャーの1月期講座については、こちらを見てください。
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3月に2回完結の公開勉強会の開催を予定しています。これについては、後日くわしく書きます。対象は、これまで越前の翻訳クラスをまったく受けたことのない人、クラス歴が1年以内の人です。
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全国翻訳ミステリー読書会めぐり、「はじめての海外文学」や「読書探偵作文コンクール」(小学生・中高生)などの各種イベントも、同様におこなっていくので、機会があればぜひご参加ください。
「翻訳百景ミニイベント」については、朝日カルチャーの「だから翻訳は面白い」で似たことをやっていくつもりですが、その枠にはいりきらないときにミニイベントを自主的に開催することがあるかもしれません。