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  • 越前敏弥
    文芸翻訳者。 いまのところ、更新は週1、2回程度です。 ご感想・お問い合わせなどは office.hyakkei@gmail.com へお願いします。
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2017年10月 6日 (金)

第22回翻訳百景ミニイベント報告

 昨夜、第23回翻訳百景ミニイベントをおこないました。参加してくださった皆さん、告知に協力してくださった皆さん、ありがとうございました。

 今回は、夏ごろから各地でおこなってきた『メアリと魔女の花』と『世界文学大図鑑』関連のトークの総まとめとして、そしてこれまでに参加できなかった人などへの最後の機会として開催したものです。

 以下は、話した内容の一部です。

◎『メアリと魔女の花』
・作者が「メアリー」なのに、なぜ主人公は「メアリ」なのか
・「メアリ」は英語圏ではありふれた名前で、主人公はそのことを引け目に感じている。アニメにはそれがどう反映されたか
・登場人物のMarjoribanks、Mcleodの読み方や、飼い犬の Confucius の名前の由来について
・章題の訳し方や作中の詩の押韻部分の処理の仕方
・小説と映画のそれぞれの鑑賞ポイント

◎『世界文学大図鑑』
・どのような作品がどういう考えに基づいて選ばれているか
・図鑑の翻訳特有の問題(レイアウトや字数制限など)
・ダンテ『神曲』、シェイクスピア〈ファースト・フィリオ〉、カフカ『変身』にまつわるエピソードと関連クイズ

 そして、カフカ『変身』の旧訳・新訳の比較を手がかりにして、同化(domesticatin)と異化(foreignization)の問題について話したあたりで、残り時間がわずかとなり、残念ながら近現代の話はほとんどできませんでした。

 あわただしい終わり方をして、時間の余裕がなかったため、アンケートの数は多くありませんでしたが、大半のかたがその同化・異化の問題についてもっとくわしく聞きたかったと書いていらっしゃいました。

 現在、文芸翻訳の技術全般に関するつぎの著書を執筆中で、同化・異化の問題はそのなかでも採りあげるつもりです。来年の前半には刊行できると思います。

 近現代についてほとんど話す時間がなかったのですが、参加者の皆さんには最後に昨年の放送大学の講座「世界文学への招待」のアーカイブを紹介しました。世界文学がいまどのようにひろがり、各地でどのような問題が重要になっているのかを考えていく絶好の材料です。興味のある人は、ぜひテキストを買って観てください(動画はすべてここで観られます45分×15回)。

 後半の『世界文学大図鑑』のトーク中に、折よくノーベル文学賞の結果が知らされるなど、にぎやかで楽しいイベントでした。あらためて、参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

 著書の準備やダン・ブラウン新作 Origin の訳出作業などで、年内はあまり時間がとれず、このブログの更新回数も減ると思いますが、11月からはじまる「はじめての海外文学フェア」や関連するトークイベントなどの情報はしっかり掲載していきます。 

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