プロフィール

  • 越前敏弥
    文芸翻訳者。 いまのところ、更新は週1、2回程度です。 ご感想・お問い合わせなどは office.hyakkei@gmail.com へお願いします。
無料ブログはココログ

« 2017年6月 | トップページ | 2017年8月 »

2017年7月

2017年7月26日 (水)

INFORMATION 2017-07-26

 クラウドファンディングによって作った翻訳児童書ガイド『外国の本っておもしろい!』が完成しました。あらためて、支援や宣伝をしてくださった皆さん、ありがとうございます。

Fullsizerender Fullsizerender_1_2
 数日前から、クラウドファンディング支援者の皆さんのお手もとへ、限定版冊子「ぬすまれた手紙」とともにお届けしています。

 支援者以外のかたについては、版元のサウザンブックスのサイトで、すでに予約購入できるようになっています。ほかのオンライン書店でも近々購入できるようになります。

 実店舗では、紀伊国屋書店グランフロント大阪店の夏休み課題書コーナーですでに販売が開始されています。また、月末から青山ブックセンター本店にも置かれます。

 この本による収益は、すべて今後の読書探偵作文コンクールの運営資金として使われます。引きつづき、どうぞよろしくお願いします。

 今年の読書探偵作文コンクールの募集もはじまっています。小学生部門はここ、中高生部門(今年から復活)はここをご覧のうえ、ぜひご応募ください。
――――――――――

 書店フェア「はじめての海外文学 Vol.3」のサイトが本格的に始動しています。主催するフェア、トークイベント、読書会などの情報を掲載するかたわら、各地でも海外文学や翻訳出版にまつわるイベントについても定期的に紹介します。

 週に一度くらい更新していくので、ときどきここをご覧になってください。

Daaqtfeuiaeq28t_2
――――――――――

 29日(土)の昼に朝日カルチャー新宿教室で「『メアリと魔女の花』翻訳秘話」があります。英国ファンタジーの魅力や翻訳作業の楽しみなどを、さまざまな角度からお話しします。映画・原作とも、未体験でも体験済みでも参加OKです。

51xid8p1efl_2  
――――――――――
『世界文学大図鑑』については、今後以下のふたつのトークイベントがあります。

・8月31日(木)20:00~22:00

・9月2日(土)15:30~17:00
翻訳百景特別編・訳者が語る「世界文学大図鑑」の魅力(朝日カルチャー新宿教室)【三省堂の編集者との対談形式】

81csnwyc5l

2017年7月18日 (火)

パロディ本『ダ・ヴィンチ・コッド』から名訳・珍訳集(3)

 前回からだいぶ経ってしまいましたが、「パロディ本『ダ・ヴィンチ・コッド』から名訳・珍訳集」のつづきです。第1回第2回も読んでみてください。

 今回はこの個所について。

 Directly opposite Sauna-Lurker's office door was a mural, or 'wall painting', of Leonardo's celebrated Last Supper, filling the space from door to ceiling.

 今回は前2回とちがって、ことば遊びはありません。問題は

a mural, or 'wall painting'

 の個所です。言うまでもなく、この or は「または」ではなく「つまり」「すなわち」ですが、ここをたとえば、そのまま
壁画、つまり「壁に描いた絵」

 などと訳していいでしょうか(半数以上の人がそのように訳していました)。

 英語の mural は、難解なことばではありませんが、あまり使われないことばなので、ここではわかりやすく wall painting と言い換えているわけですが、日本語では「壁画」ということばのなかに「壁」がはいっているので、「壁に描いた絵」と言い換えたところで、ほとんど説明になりません。

 こういう場合は、説明不要なのであえて訳さないのもひとつの手です。わたしはここ全体を

サウナニカクレールの部屋のドアの向かいに、ダ・ヴィンチの代表作〈最後の晩餐〉の壁画があり、床から天井までを覆っている。

 としました。

 もうひとつの手としては、「壁」の連発を避けるような訳し方をすることです。mural の訳を「壁画」以外にするのはむずかしいので、'wall painting' のほうを「ウォールペインティング」とした人がいましたが、これはうまい方法だと思います。これなら説明になっているだけでなく、カンマでくくられている意図もうまく訳文に反映されている気がします。

 英語に書かれているものをすべて訳す必要がない例としては、ほかに he or she とか、 the killer or killers などがあります。日本語では、性別や単数・複数にこだわる必要がない場面も多く、そういうときに逐語訳をすると、無意味に浮いてしまい、かえって原文の趣旨が正確に伝わらなくなるのです。

 今後もこのようにワンポイントで何か解説できるときは、ときどき書きます。

 朝日カルチャーの「英米小説の翻訳」のクラスでは、9月までこの『ダ・ヴィンチ・コッド』を扱います。途中入学も可能なので、参加したいかたはそれぞれの教室へお問い合わせください(大阪・中之島は今週末開催で、予習教材があるので、すぐにでもお申しこみください)。

新宿火曜午前(8月1日&9月5日、10時から11時30分)
新宿土曜午後(8月5日&9月2日、12時30分から14時)
横浜(8月26日&9月9日、15時15分から16時45分)
中之島(7月22日、13時から16時) 

◎今週末の関西でのトークイベント・講演

21日(金)18:30~20:00
『新訳 メアリと魔女の花』翻訳秘話(紀伊國屋書店グランフロント大阪店特設会場)

22日(土)16:30~18:00
魅惑の『世界文学大図鑑』 (朝日カルチャーセンター中之島教室)

23日(日)13:30~15:00
「メアリと魔女の花」原作翻訳者トークショー(OSシネマズ神戸ハーバーランド ロビーイベントスペース) 

2017年7月12日 (水)

INFORMATION 2017-07-12

 来週末の大阪・神戸での講座やトークイベントなどの情報をまとめて書きます。関西方面のかたはぜひお越しください。

22日(土)13:00~16:00
英米小説の翻訳(朝日カルチャーセンター中之島教室)
 新宿・横浜の7月期クラスと同内容ですが、時間が短いので扱う量は3分の2です。課題は『ダ・ヴィンチ・コード』のパロディ本 The Da Vinci Cod。どんな内容なのかは、最近書いたふたつの記事(その1その2)を参考にしてください。ばかばかしくも楽しい作品で、文芸翻訳のトレーニングにはうってつけの教材です。
 原書3ページ程度の予習課題があるので、参加を希望されるかたは早めに申しこんでください。今回は参加者がまだあまり多くないので、かなりお得だと思います。

22日(土)10:30~12:00
文芸翻訳のツボ(朝日カルチャーセンター中之島教室)
 文芸翻訳、おもに小説の翻訳のポイントを、いくつかの実例を紹介しつつお話ししていくオリエンテーションクラスです。予習は不要で、その場で英文をお渡ししていっしょに考えていく形で進めます。
 そのあとの「英米小説の翻訳」と合わせて受講してもかまいません(というより、お勧めします)。

22日(土)16:30~18:00
魅惑の『世界文学大図鑑』 (朝日カルチャーセンター中之島教室)
 一般向けのトークイベントで、どなたでも参加できます。
 4月に出た『世界文学大図鑑』(三省堂)を手がかりとして、本の紹介をしつつ、いくつかの作品についてクイズなどを交えてお話しし、海外文学の魅力を知っていただこうというものです。
 会場では『世界文学大図鑑』の販売やサイン会をおこないます。

21日(金)18:30~20:00ごろ
『新訳 メアリと魔女の花』翻訳秘話(紀伊國屋書店グランフロント大阪店)
 先週末に映画が公開された「メアリと魔女の花」の原作を翻訳した経験をもとに、小説と映画の魅力や共訳作業の進め方などをくわしくお話しします。
 会場では『メアリと魔女の花』だけでなく、『思い出のマーニー』などの過去の訳書や関連書も同時に販売します。サイン会もおこないます。

23日(日)13:30~15:00(時間帯は多少変更の可能性あり)
「メアリと魔女の花」原作翻訳者トークショー(OSシネマズ神戸ハーバーランド ロビーイベントスペース)
 映画館のロビーでのトークははじめての経験です。21日の紀伊國屋でのトークとはほとんど別内容です。
 こちらでも書籍の販売やサイン会があります。

 なお、『新訳 メアリと魔女の花』は、これまで角川文庫版と角川つばさ文庫版の2種類が出ていましたが、このほか、14日に図版入りの単行本が発売されます。訳文そのものはほとんど同じです(つばさ文庫版は総ルビ入り)。

――――――――――
 プロジェクト『外国の本っておもしろい!』の支援者のみなさまへの感謝のメッセージがここに載っています。読書探偵作文コンクールの選考委員と事務局メンバーひとりひとりによるものです。

 その読書探偵作文コンクールは、今年も募集がはじまっています。今年から中高生部門が復活しました。
 未来の読者を育てるための試みにどうぞご協力をお願いします。

小学生部門(最終選考委員:越前敏弥、ないとうふみこ、宮坂宏美)

中高生部門(最終選考委員:金原瑞人、田中亜希子)

2017年7月 3日 (月)

INFORMATION 2017-07-03

 クラウドファンディングのプロジェクト『外国の本っておもしろい!』は、おかげさまで6月末に募集を終了しました。支援や告知などをしてくださった皆さん、ありがとうございます。翻訳児童書ガイド&読書探偵作文コンクール優秀作品集『外国の本っておもしろい』は、現在制作の仕上げの段階で、遅くとも8月までにはどなたでも購入できます。その節はどうぞまたよろしくお願いします。

―――――
 この夏のトークイベント、読書会、単発講座などの予定を順に並べます。ご興味のあるものにご参加ください(同内容のもの、別内容のものにご注意ください)。

7月8日(土)10:00~11:30
 翻訳百景 魅惑の『世界文学大図鑑』(朝日カルチャー横浜)

7月15日(土)15:00~17:00
 はじめての読書会(外苑前 Glocal Cafe) ※残席わずか

7月21日(金)18:30~20:00ごろ
 『新訳 メアリと魔女の花』翻訳秘話(紀伊國屋グランフロント大阪)

7月22日(土)16:30~18:00
 魅惑の『世界文学大図鑑』  翻訳百景 英語と日本語のはざまで 特別篇(朝日カルチャー中之島) ※8日の横浜とほぼ同内容

7月23日(日)13:30~15:00(時間帯は多少変更の可能性あり)
 「メアリと魔女の花」原作翻訳者トークショー(OSシネマズ神戸ハーバーランド ロビーイベントスペース) ※21日の大阪とは別内容

7月29日(土)13:00~14:30
 「メアリと魔女の花」翻訳秘話(朝日カルチャー新宿) ※21日の大阪とほぼ同内容

8月5日(土)&9月2日(土)10:00~11:30
 ベストセラー翻訳入門 ダン・ブラウンを読む(NHK文化センター青山) ※途中受講可、8月は『ダ・ヴィンチ・コード』、9月は『インフェルノ』

8月27日(日)午後(14:30~16:30)
 福島読書会(二本松市民交流センター) ※課題書はエラリー・クイーン『Yの悲劇』。ドルリー・レーン四部作を読了していることが参加条件。【7月下旬正式告知予定】

9月2日(土)15:30~17:00
 翻訳百景特別編 訳者が語る「世界文学大図鑑」の魅力(朝日カルチャー新宿) ※7月の横浜・新宿とは別内容

このほか、8月下旬にもうひとつ、はじめての場所でのトークイベント(対談)がある予定です。

« 2017年6月 | トップページ | 2017年8月 »