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  • 越前敏弥
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2016年3月 3日 (木)

「はじめての海外文学」ふたたび

 前回のレポートにも書いたとおり、2月25日の東京トークイベントの最後に『翻訳百景』についての感想メールを紹介しました。ちょうどイベントの前日に届いたもので、ご本人の了解をとって、みなさんの前で読みあげたしだいです(大阪・京都では時間がなくて読めませんでした)。きょうはそのメールの内容をご紹介します。 

 約1年前、「はじめての海外文学」という全国的な書店フェアがありました。これは、50人の選者が推薦した翻訳フィクション作品を、系列の異なる書店の海外文学担当の書店員さんたちが協力していっせいに売っていくという画期的な試みでした。どういう思いではじめられたフェアだったかについては、翻訳ミステリー大賞シンジケートのこの記事にくわしく書かれています。

 わたしも選者のひとりだったので、その縁でいくつもの書店を紹介してもらい、おかげで数か月後の「ことばの魔術師 翻訳家・東江一紀の世界」を系列のちがう5店舗(青山ブックセンター本店、往来堂書店、紀伊國屋グランフロント大阪店、ジュンク堂池袋店、丸善博多店)で開催できることになりました。このことは『翻訳百景』の最終節(200ページ)にも書いてあります。

 先日『翻訳百景』の感想メールをくださったのは、「はじめての海外文学」フェアの仕掛け人だった酒井七海さんからでした。その後、退職してご出産なさったのですが、本を愛する思いはいまも変わらず、お忙しいなかでもブログやツイッターなどでいろいろと発信していらっしゃいます。

 その酒井さんからのメールは以下のとおりです(ごく一部ですが、わかりにくい個所についての省略や改変があることをご了承ください)。

――――――――――

越前さま

お世話になっております。
本日『翻訳百景』読了いたしました!
これはもうお世辞ぬきですっごくすっごくすっごく面白い本でした!!

個人的には、越前さんが翻訳小説をもっともっと広い読者に読んでほしいという想いを持っていらっしゃるところが、僭越ながら自分の考えと本当に似ていたので、すごくうれしく、心強く感じてしまいました。

文芸翻訳というお仕事は今まで完全にベールに包まれていて、どんなことを具体的にやるのかよくわかっていない人がほとんどだと思いますが、これを読むとすごく興味がわいてくるし、翻訳ものが読んでみたくなってくるんですよね〜。

書店員時代、常々翻訳小説を売るには、もう少し舞台裏が一般に見えてこないかなと考えておりました。やっぱり翻訳者や編集者のお話を聞くとぐっと作品が身近に感じられて、自然に読みたくなってくるんですよね。それを一般的にもっと広く知らせることはできないかなぁと、、、。

この本を読んでもらえればそれができると感じました!

わたしこれを本当に店頭で売りたかった。自分が今その立場にないことをものすごく悔しく思います。面白いからなのはもちろん、そういった理由で、これはぜひとも翻訳小説の苦手な方に読んでほしいと思ったからです。ただ実際はタイトルからして(もちろん素晴らしいタイトルだと思いますし、内容にも齟齬はないと思いますが、だからこそ、、、)誰かが誘導しなければおそらくその層には届かないというところが、本当に無念でなりません。

自分が今出来ることがないかちょっと本当に必死で考えております。でも今の時点で自分が出来ることといえば拙い文章で自分の小さなブログで紹介させていただくことくらいなのですよねぇ〜。

実は今ブログのリニューアルを考えていて(更新もめったにできていないのに無謀ですが、、、)タイトルを単純に「はじめての海外文学」として的をビギナー向けにぎゅっと絞ってやろうと。内容はそんなに変わらないかもしれませんが、わかりやすくはしたいなと思っております。

その最初の本として『翻訳百景』を紹介させていただいてよいでしょうか?

本を実際に積むことはできませんが、ポップのみで展示することはブログでもできるのではないかと思っております。

そんな擬似本屋みたいなブログができたら、、、ってどこまで更新できるのかわかりませんが、よろしければまずはこちらの本についてご紹介させてください。

いつか翻訳ミステリー読書会にも参加してみたいなと思いました。きっとまたお会いできるのを楽しみにしております。

この本が読めてよかったです。本当にありがとうございました!

酒井七海
――――――――――

 大きな励みとなるメールをくださった酒井さん、こちらこそ、ありがとうございました。

 そして、文面にもあるとおり、酒井さんのブログがつい先日リニューアルされ、「はじめての海外文学」としてスタートしました。今後を楽しみにしています。いろいろお忙しいでしょうから、どうか無理せずにマイペースで海外文学の紹介をつづけていってください。みなさん、どうぞ応援をよろしくお願いします。

『翻訳百景』は、ある程度本は読むけれど翻訳書をあまり手にとらない人、なんとなく語学や海外文化に興味があるけれど本を読む機会が少ない人などにこそ読んでもらいたいと思っています。すでにお読みになって、趣旨に賛同してくださるかたは、まわりの人たちに薦めていただけるとありがたいです。 

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