第15回イベント報告
きのう15日の夜、金原瑞人さんと三辺律子さんをお招きしての第15回翻訳百景ミニイベントがおこなわれました。半数以上が新規参加者で、10代・20代の人の姿もかなり見られ(最年少は小学校5年生)、これまでではじめて、100名を大きく超える数のかたが来てくださいました。お越しくださった皆さん、告知に協力してくださったみなさん、ありがとうございました。
今回はおふたりとイラストレーターのオザワミカさんが昨年9月にはじめられた無料小冊子《BOOKMARK》についての話を中心にうかがいました。「もっと海外文学を! 翻訳物はおもしろい!」というかけ声のもと、選ばれたそれぞれの本の訳者が魅力を語っていくというスタイルにわたし自身が大きく共感したからでもあります。
昨夜は《BOOKMARK》刊行のいきさつを手がかりに、話は翻訳作業や翻訳出版をめぐるさまざまな内容に及び、充実した1時間半となりました。参加者のかたからのアンケート回答をいくつか紹介します。
・初めて、翻訳者の方たちのお話を実際に拝聴できたことを嬉しく思いました。トークも面白く、ラジオの公開イベントに参加しているような感覚でした。時代に影響された流行のことばの訳し方についても、なるほどと思いながら聞いておりました。興味深い話題でした。
・翻訳の先にある海外文学世界――文化(未知)へのあこがれの気持ちがよみがえってきました。ありがとうございました。
・翻訳者のかたの話を聞く機会はないので、大変楽しかったです。また、フリーペーパーができるまでの話が聞けて、それも良かったです。今回のイベントがきっかけでゲストのかたの本を読む(翻訳者で本を選ぶ)楽しみも増えて、ほんとうに申しこんで良かったと思うイベントでした。
・面白いものをすすめるというシンプルな動機に、一番大切なことを忘れていたと気づかされた気がします。私も子供にすすめる本のことで悩んでいたので参考になりました。
お招きしたおふたりはYA(ヤングアダルト)作品や児童書をおもに手がけていらっしゃり、わたしはミステリーの仕事が中心で、ジャンルのちがいはありますが、今後も協力できるところはぜひ協力して、海外作品の魅力を広く伝えていきたいとあらためて感じたしだいです。
《BOOKMARK》の公式サイトはここ。いまは第2号「本に感動、映画に感激」が一部書店・図書館などに置かれています。第3号は「まだファンタジー? ううん、もっとファンタジー」、第4号は英語圏以外の作品を中心に採りあげる予定で、第6号まで構想が決まりつつあるということです。
《BOOKMARK》に関する金原さんと三辺さんのトークは、2月20日(土)に銀座の教文館でもおこなわれるそうです(案内はここ)。昨夜の話を聞きそびれた人や、話のつづきを聞きたい人はそちらへぜひお出かけください。
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つぎの第16回翻訳百景ミニイベントは、2月25日(木)の夜に同じ表参道の東京ウィメンズプラザで開催します。この日は(株)KADOKAWA文芸・ノンフィクション局局長の郡司聡さんとわたしの対談形式で、2月10日刊行の拙著『翻訳百景』と25日刊行の『インフェルノ』文庫版の話を中心に進めていきます。来週前半にあらためてくわしい告知文を載せますが、お申しこみはすでに受けつけているので、参加を希望なさるかたはいつもの要領でご連絡ください。
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