プロフィール

  • 越前敏弥
    文芸翻訳者。 いまのところ、更新は週1、2回程度です。 ご感想・お問い合わせなどは office.hyakkei@gmail.com へお願いします。
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2014年12月

2014年12月26日 (金)

東江一紀さん追悼企画について

 今年の6月に亡くなった東江一紀さんに公私ともにひとかたならぬお世話になったことは、この記事に書きました。その後、どのような形で追悼するのがよいかと考えてきましたが、やはり東江さんの訳書をひとりでも多くの人に読んでもらうのがいちばんです。

 そこで、来年6月の一周忌の時期に合わせて、書店でのフェアや読書会などを企画しているところです。 

 書店のフェアとしては、紀伊國屋グランフロント大阪店と文京区の往来堂書店で、1か月程度にわたってコーナーを作っていただくことが決まっています。 

 また、全国の翻訳ミステリー読書会のいくつかでも、その時期に東江さんの訳書を課題書にした会を開催することが内定しています。 

 同時期にトークイベントを開催することも検討中です。翻訳百景でも、イベントや読書会などの形で同時に盛りあげていきたいと考えています。 

 ほかにもフェアやトークイベントを開催してくださる書店などがあれば、日本全国、どこでももちろん大歓迎ですので、ぜひ office.hyakkei@gmail.com までご連絡ください。現在、東江さんの門下の人たちといっしょに、わたしも実行委員をつとめています。 

 なお、この1周忌企画とは別に、来年の1月10日から2月9日まで、ジュンク堂書店池袋店1階エレベーター脇と、同福岡店3階人文書フロアで、月替わり連続フェア〈愛書家の楽園〉の一環として、「翻訳家・東江一紀の仕事」フェアが開催されます。東江一紀名義と楡井浩一名義の訳書が合わせて20冊程度展示されるそうです。お近くのかたはぜひお立ち寄りください。

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 翻訳者は、訳書が読まれつづけることによって、人々の心のなかに生きつづけます。不世出の名訳者の偉業を末永く後世に伝えていくために、どうぞご協力ください。翻訳書の魅力を新しい読者に知ってもらうためにも絶好の機会だと信じています。

2014年12月16日 (火)

INFORMATION 2014-12-16

 角川つばさ文庫からO・ヘンリーの傑作選『賢者の贈り物・最後のひと葉』が刊行されました。計10編が載っていて、表題作2編をわたしが担当しました。ほかに武富博子さん、田中亜希子さん、宮坂宏美さん、吉澤康子さんが2編ずつ担当しています。小学校中学年ぐらいからじゅうぶん理解できる内容です。クリスマスプレゼントなどにぜひどうぞ。 

   

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 先日の第11回翻訳百景ミニイベントで登壇してくださった山本知子さんが代表をつとめる多言語翻訳リベルで、1月から「リベル書籍翻訳セミナー2015 フィクション編」  が開催されます。

 ミニイベントのゲストだったヘレンハルメ美穂さんをはじめ、多くの翻訳者(もちろん、英語も含めて)が翻訳の仕事をはじめるきっかけとなった翻訳会社による本格的なセミナーです。このような形で、翻訳会社担当者・エージェント・編集者・翻訳者などの話をまとめて聞ける機会は稀少なので、勉強中の人やスキルアップを図りたい人はぜひ参加してください。全8回のうち、わたしも1回話をさせてもらいます(1回きりの受講はできません)。 

 全日程の記された案内を下からダウンロードできます。

  「libel_seminar.pdf」をダウンロード

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 東京創元社の隔月刊誌《ミステリーズ! vol.68》に寄稿しました。「わたしと東京創元社」という企画で、デビュー当時から大変お世話になった編集者M氏について書いています。  

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 第5回翻訳ミステリー金沢読書会が来年1月10日(土)に開催されます。課題書はエラリー・クイーンの国名シリーズ第4作『ギリシャ棺の秘密』。若き日のエラリーが登場し、シリーズ全作中での最高傑作と推す人も多い作品です。わたしも参加します。興味のあるかたはぜひお越しください。 

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 エラリー・クイーンの中期の傑作『災厄の町』の新訳版が先日刊行されました。新訳での重大な変更や、旧訳より100ページ程度多くなった事情については、この記事をご覧ください。

 

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 第12回翻訳百景ミニイベントは、2月26日(木)に開催します。科学書などのノンフィクションの訳書が多い翻訳者・斉藤隆央さんをゲストにお招きします。お申しこみの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。現時点で半分弱のお席が埋まっています。 

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 朝日カルチャーセンター(東京・新宿教室と大阪・中之島教室)の1月期翻訳講座の日程と内容については、こちらの記事を見てください。大阪・中之島教室での一般向け講演「翻訳百景・英語と日本語のはざまで」は、1月23日(金)の18時30分から20時までです。

2014年12月11日 (木)

第12回翻訳百景ミニイベントのご案内

 以前簡単に告知しましたが、第12回翻訳百景ミニイベントを2月に開催します。

【2015年1月21日午後5時追記 満席となりました。これ以後はキャンセル待ちとなります】

【1月26日午前11時40分追記 大きな部屋への変更が可能になりました。現在、埋まっているお席は6割程度です。再度受付を開始します】


 日時  2015年2月26日(木)午後7時から8時45分

 会場  表参道駅近くのセミナールーム詳細は申込者に直接メールでお知らせします)

 参加費 1,500円

 ゲスト 斉藤隆央さん

 今回はゲストとして、ノンフィクション翻訳、特に科学関係の訳書の仕事を多くなさっている斉藤隆央さんをお迎えします。特に自然科学をテーマに扱ったものを翻訳する際の注意点やノウハウなどをうかがう予定です。

 詳細は未定ですが、おもに越前との対談の形で、ノンフィクション翻訳全般についての話をしていただくことになります。2月ごろに刊行予定のミチオ・カクの新刊などについてもうかがいます。

 また、今年の6月のIJET(英日・日英翻訳国際会議)での講演内容の一部を取りこみつつ、簡単なクイズ形式の説明をしていただく時間を設けることも検討中です(辞書やパソコンを持参していただく必要はありません)。

 各ジャンルの翻訳者や学習者だけでなく、翻訳書や語学全般に興味をお持ちのかたもぜひお越しください。

 斉藤さんの略歴とIJETでの講演内容については、下記のリンクをご覧ください。

  http://ijet.jat.org/ja/ijet-25/program/science_nonfiction/


 

 参加を希望なさるかたは、お申しこみのメールにどんな話を聞きたいかを書き添えていただければ、当日の内容にできるだけ反映させますので、遠慮なくお書きください。

 お申しこみのメールは office.hyakkei@gmail.com 宛にお願いします。その際、本名または著訳書のペンネーム(ハンドルのみは不可)、当日連絡のつきやすい電話番号または携帯メールアドレス(PCと同じアドレスの場合はその旨)をかならず書いてください。

 表参道のいつも使っている会場が2月末に閉館するため、今回はその会場での最終回になります。どうぞご了承ください。ミニイベント自体は別の会場でつづけるつもりです。

2014年12月 5日 (金)

新訳『災厄の町』について

 エラリイ・クイーンのライツヴィル・シリーズ第1弾『災厄の町』の新訳が早川ミステリ文庫から刊行されました(角川の国名シリーズは「エラリー」ですが、早川は「エラリイ」です)。

『災厄の町』はクイーンの後期の代表作で、クイーン自身が最高傑作と評したこともある作品です。わたしも、海外ミステリーのオールタイムベストを選ぶとき、かならずこの作品を上位に入れます。レーン4部作と並ぶ大好きな作品の新訳に携われたことを、大変光栄に思っています。機会を与えてくださった早川書房のみなさん、ありがとうございます。

 架空の町ライツヴィルを舞台としたこの作品でのエラリーは、国名シリーズで見せた鋭い推理の切れ味を保ちながらも、人間味豊かな余裕ある観察者へと大きく成長を遂げています。推理がすべて披露されたあとの結末の味わい深さはなんとも忘れがたく、これまで自分でも何度も読み返してきた作品です。

 巻末には、角川文庫の国名シリーズ全作品でも書いてくださっているクイーン研究の第一人者・飯城勇三氏の詳細な解説がついています。さらに、その前に訳者あとがきもありますが、これは、今回の新訳で旧訳から重大な変更があったため、それについて説明するためです。

 実は、問題になるのはたった1語の訳語にすぎないのですが、事件の真相の核心部分に関するものなので、具体的にここに書くことはできません。これはトリックにこそ影響しませんが、旧訳ですでにお読みになったかたや、日本での映画化作品〈配達されない三通の手紙〉をご覧になったかたは、今回の新訳によって、犯行の動機や事件の全体像が微妙に変わって感じられると思います。ぜひ、あらためてご一読ください。

 なぜ今回の変更をおこなったかについては、訳者あとがきの中ほどの見開き2ページ(500ページ、501ページ)に、完全にネタを割った形で詳述しました。作品を未読のかたはぜったいにその2ページを先に読まないでください。なお、旧訳で既読のかたも、そちらを見ずにまず本編をお読みになることをお薦めします。

 そのほか、今回の新訳ではじめて中扉(9ページ)にはいった副題にも注目してください。これを角川文庫版国名シリーズの中扉にある副題と比べると、クイーンという作家が初期からどう変わったか、何をめざすようになったかがよくわかります。これらの副題は、原著の初版についていたものの、過去の訳書では掲載されていませんでした。詳細は飯城勇三氏の解説に載っているので、そちらもご覧ください。

 【12月7日追記】今回は旧訳と比べて100ページ程度長くなりました。字組みが変わったのも一因ですが、それより大きいのは、旧訳で使われた原書が、改行を減らすなどの短縮処理が施されたものだったからです。今回の新訳が初刊どおりの形です。この点に関しても、飯城勇三氏の解説に説明があります。【追記ここまで】

 早川書房からは、このあと、来年の夏ごろに『九尾の猫』の新訳が出る予定です。

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