プロフィール

  • 越前敏弥
    文芸翻訳者。 いまのところ、更新は週1、2回程度です。 ご感想・お問い合わせなどは office.hyakkei@gmail.com へお願いします。
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2014年7月

2014年7月28日 (月)

朝日カルチャーセンター10月期の課題書

 朝日カルチャーセンター10月期「英米小説の翻訳」クラスの指定課題書が決まったので、お知らせします。

『シートン動物記 サンドヒルの雄ジカほか』(シートン著、越前敏弥訳、角川つばさ文庫)

『カステラ』(パク・ミンギュ著、ヒョン・ジェフン&斎藤真理子訳、クレイン)

『ライフボート』(シャーロット・ローガン著、池田真紀子訳、集英社文庫)

『シートン動物記 サンドヒルの雄ジカほか』は、10月期の英文課題でシートンの作品を扱うので、その準備を兼ねて選びました。もちろん、余力のある人は同じつばさ文庫から出ている『シートン動物記 オオカミ王ロボほか』も併せて読んでください。この2作については、かつてこの記事この記事で紹介しました。

『カステラ』は韓国でロングセラーとなっている短編集で、翻訳技術という点でも参考になりそうなので選びました。

『ライフボート』は、今年の出版社対抗ビブリオバトルで2位となった作品です。

 朝日カルチャーのクラスで翻訳書や周辺書の感想を全員に言ってもらうのは、当然ながら、翻訳書について知らなければ文芸翻訳の勉強をする意味がないからです。本音を言えば、半分ぐらいの時間をそれにあててもよいくらいです。翻訳文化の担い手であろうとするのであれば、最低でもこの程度のものは当然のこととして読んできてください。

 10月期の日程はまだ正式に発表されていませんが、東京は10月・11月・12月の最初の土曜、大阪は10月25日となる予定です。東京は上記の順に全部、大阪は今回は『シートン動物記』が必修で、ほかの2作も可能なら両方読んできてください。

「英米小説の翻訳」「文芸翻訳のツボ」両クラスの必修教材〈文芸翻訳入門〉をまだ入手していない人は、この記事からダウンロードしてください。受講生以外のかたもご自由にどうぞ。

2014年7月22日 (火)

出版翻訳データベース

 坂本久恵(編集A)さんが運営なさっている出版翻訳データベースには、多くの出版翻訳者の訳書リストやインタビューが掲載されています。

 わたしの著訳書リストが更新されたので、よかったらご覧ください(ここ)。デビュー作『惜別の賦』から最新の『思い出のマーニー』まで、全作品の書誌情報が載っています。これは自分自身で全作品にコメントをつけている唯一のリストです。

 リストとしては、ほかにやまねこ翻訳クラブのものがあり(ここ)、こちらもわかりやすい形にまとまっています。Wikipediaはここ

 また、この機会に、出版翻訳データベースにあるほかのリストやインタビューもぜひお読みになってください。特に、先日亡くなった東江一紀さんのインタビュー(ここ)は、10年以上前のものですが、いま読むとさまざまなことを考えさせられます。わたし自身のインタビュー記事はここ

 東江さんについては、第1回翻訳ミステリー大賞受賞作『犬の力』の訳者だということもあり、翻訳ミステリー大賞シンジケートで追悼企画を準備しているところです。サイトの常連執筆者や全国読書会の関係者など、多数から寄稿していただく予定です。しばらくお待ちください。

2014年7月18日 (金)

INFORMATION 2014-07-18

 今期の朝日カルチャーセンター・大阪中之島教室の翻訳講座は7月26日(土)におこないます。

 10時から11時30分が、初参加者向けのオリエンテーションクラス「文芸翻訳のツボ」(お申しこみはこちら)。今回から予習不要なので、直前の申しこみも可能です。 

 12時30分から17時までが、継続して小説を訳していく「英米小説の翻訳」クラス(お申しこみはこちら)。前回に引きつづき、C・J・サンソムによる〈チューダー王朝弁護士シャードレイク・シリーズ〉の第3弾 Sovereign を扱います。こちらは3ページ程度を事前に訳してきてもらい、全員の訳文を検討するので、準備の時間が必要です。参加希望のかたは早めにお申しこみください。初参加のかたの受講も受けつけていますが、できれば「文芸翻訳のツボ」もいっしょに受講してください。 

 前日の25日(金)には、18時30分から20時まで、今回も一般向け講演会「翻訳百景~英語と日本語のはざまで」(翻訳百景大阪ミニイベント第5回)をおこないます(お申しこみはこちら)。翻訳や語学に少しでも興味がある人ならじゅうぶん楽しめる内容で、予習は不要です。翌日の講座を受講する人は、できればこれにも参加してください。 

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 小学生を対象とした読書探偵作文コンクールを今年も開催しています。翻訳書を読んで、自由な形式で文章を書くというもので、今年で5回目になります。昨年は小学校や作文教室でまとめて応募してくださる例がいくつも見られ、大変うれしく思いました。詳細についてはこの記事事務局の専用サイトをご覧ください。ご質問などがありましたら、事務局宛でも翻訳百景のアドレス宛でも、どうぞ気軽にお問い合わせください。 

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 年内のイベント・講演などで、すでに日程がほぼ決まっているものをお知らせします。これはあくまで予定なので、変更の可能性もあることをご了承ください。 

◎9月20日(土) 

 徳島県鳴門市の大塚国際美術館で、1日かけての講演・読書会など。当日は以下を実施予定(時刻や内容の詳細は未定)。 

・越前による講演「『インフェルノ』『ダ・ヴィンチ・コード』翻訳秘話」(仮) 

・美術館学芸員による館内ツアー「地獄へようこそ」(仮) 

・館内の会議室でダン・ブラウン『インフェルノ』読書会 

◎9月25日(木)夜 

 第10回翻訳百景ミニイベント(ミニトーク+ミニビブリオバトルの予定) 

◎10月24日(金)夜 

 トークショー「新訳『思い出のマーニー』翻訳秘話」(仮)@紀伊國屋書店グランフロント大阪店 

◎11月23日(土・祝)午後 

 仙台読書会(課題書・エラリー・クイーンのドルリー・レーン4部作) 

◎11月27日(木)夜 

 
 トークショー「新訳『思い出のマーニー』翻訳秘話」(仮)@朝日カルチャーセンター新宿教室(大阪とほぼ同内容)
 

◎朝日カルチャー新宿教室の10月期翻訳講座は10月4日、11月3日、12月6日、大阪中之島教室は10月25日の予定です。

2014年7月11日 (金)

新訳『思い出のマーニー』

 角川文庫と角川つばさ文庫から、新訳『思い出のマーニー』(ジョーン・G・ロビンソン著)が刊行されました。ないとうふみこさんとの共訳です。

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 KADOKAWAの特設ページはこちらです。
 スタジオジブリ製作の
映画は7月19日に全国公開されます。こちらは舞台を北海道に置き換えてありますが、原作の世界観は忠実に反映されています。 

 ふたつの版について、訳文そのものはほぼ同じですが、角川文庫版のほうが漢字が多く、つばさ文庫版は読点がやや多めになっています。つばさ文庫版は小学校上級向きになっていますが、総ルビ・イラスト入りなので小学校中学年ぐらいからじゅうぶん読めます。 

 訳出期間が非常に短かったこともあって、同時進行の作業でしたが、小学校中学年程度でも理解できる表現を使いつつも、大人が読んでもしっかり歯応えのある訳文を心がけたつもりです。訳者あとがきはまったく別のものです。 

 今回は、共訳者のないとうふみこさんだけでなく、「オズの魔法使い」シリーズの訳者チームの宮坂宏美さん、田中亜希子さんが全面的に作業に参加してくれ、さらに佐藤淑子さん、中田有紀さんの協力も得ての、実質的に6人による共訳作業でした。あとがきにも書きましたが、この場でもお礼を申しあげます。 

 きわめて短い訳出期間だったにもかかわらず、けっして手抜きの突貫工事ではなく、全世代に安心して読んでいただける作品に仕上がったと自負していますが、それが実現できたのは、「オズの魔法使い」シリーズのチームが築いた共同作業のノウハウがあったからです。 

 具体的にどのような作業で進めたかについては、先日のIJETでも少しお話ししましたが、さまざまなエピソードを交えて一般向け講演の形でいずれお話しするつもりです。いまのところ、10月に大阪、11月に東京で予定しています。 

「オズの魔法使い」シリーズについてはこの紹介記事第4回イベント報告もご覧ください。版元の復刊ドットコムからも、奇しくもこんな画集が出ているようです。

2014年7月 2日 (水)

読書探偵作文コンクール、今年も開催

 2010年からおこなってきた「読書探偵作文コンクール」を今年も開催します。

 公式サイトは http://dokushotantei.seesaa.net/ です。今年もわたしは最終選考委員のひとりとして運営に協力しています。

 これは、子供たちに少しでも翻訳書に親しんでもらう機会を作るためにはじめたコンクールで、今年が5回目になります。昨年の応募総数は過去最高の123作でした。昨年の結果や優秀者の作品についてはこちらを見てください。

 いわゆる「感想文」の枠にこだわらず、どんな形式でもかまわないことや、長さについてもあまり制約がないことがこのコンクールの特徴です。

 感想文以外の形式としては、たとえば過去に

・登場人物への手紙を書く

・物語のつづきを考える 

・絵とセットでの応募 

・2つの作品を比較して、箇条書きの表をつける 

・新聞記事の形式で書く 

 などの例がありました。わたし自身は、そのほかに 

・要旨をわかりやすくまとめる 

 だけという例があってもかまわないと思っています。話をわかりやすくまとめるのも重要な技術であり、判で押したような感想文を書くよりも作品の魅力を伝えることになるからです。 

 また、つい最近、 

・絵本の翻訳 

 はどうかという問い合わせがありましたが、もちろん大歓迎です。そのような形で翻訳書や翻訳全般に興味を持っていただけるのであれば、このコンクールをはじめたメンバーのひとりとして、うれしいかぎりです。 

 ほかにも、だれも考えつかなかったような形式での応募を楽しみにお待ちしています。

 この賞のもうひとつの特色は、優秀者への賞品や講評だけでなく、応募者全員に対して、1次選考委員2名のコメントと参加賞をお送りすることです。このコメントが励みになって、毎年応募してくれる子たちも多いようです。

 くわしい応募要項はこちらにあります

 フライヤー(チラシ)はカラー版と白黒版があります。ご自由にお使いください。専用サイトからもダウンロードできます。

「flyer-color-2014.pdf」をダウンロード

「flyer-2014.pdf」をダウンロード

Flyercolor2014_01Flyer2014_01

 公式サイトでは、告知や結果発表はもちろん、定期的に児童書のレビューなども掲載していくので、ぜひご覧ください。 

 ツイッターアカウントは @Dokusho_Tantei 、facebookページはここです。 

 このコンクールは、おもに児童書の翻訳にかかわる翻訳者たちがまったくの非営利で自主的に運営しています。趣旨に賛同してくださるかたはどうぞカンパをお願いします。振込先などの情報についてはこちらをご覧ください。

 現在は小学生だけが対象ですが、運営する側の余裕がもう少しできたら、中高生対象のコンクールの開催も検討しています。

 翻訳書や海外文化への興味を子供たちに持ってもらい、未来の読者を育てるためのこの試みに、どうぞご協力ください。ご自身のお子さんやお知り合いの小学生、あるいはこのコンクールに参加してくれる作文教室や学校、チラシを配付してくれる読み聞かせの会などを紹介していただけると助かります。9月末までずっと開催しているので、どうぞよろしくお願いします。結果発表は11月になる予定です。

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