プロフィール

  • 越前敏弥
    文芸翻訳者。 いまのところ、更新は週1、2回程度です。 ご感想・お問い合わせなどは office.hyakkei@gmail.com へお願いします。
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2013年12月

2013年12月16日 (月)

INFORMATION 2013-12-16

 告知がずいぶん遅くなってしまいましたが、11月下旬にグレアム・グリーンの短編集『国境の向こう側』(ハヤカワepi文庫)が刊行されました。『二十一の短篇』『見えない日本の紳士たち』と同じく、10人程度の訳者が分担して訳しています。今回、わたしは「新築の家」「はかどらぬ作品――ゲートルを履いたわが恋人」の2篇を担当しました。「新築の家」はつい最近まで朝日カルチャーのクラスで教材として扱っていたものです。

 グリーンの短編集の新訳はこれで一段落したとのことです。

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 朝日カルチャーセンター(東京・大阪)の1月期の受付がはじまっています。内容の詳細についてはこちらをご覧ください。

 特に、「文芸翻訳のツボ」のクラス(東京大阪)は、現在の形でおこなうのは今期が最後なので、この機会に受講することをお薦めします。

 大阪で1月24日(金)にある講演会は、どなたでも参加できます。

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 1月23日(木)の第8回翻訳百景ミニイベント(ゲスト・田内志文さん)は、好評につき広い部屋を借りなおしたので、まだお席の余裕があります。持ち込みを含めた翻訳企画の立て方の話が中心になります。内容や申しこみ方法の詳細についてはこちらをご覧ください。

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 ダン・ブラウン『インフェルノ』は、おかげさまで順調に売れています。読者のかたの評価も、前作『ロスト・シンボル』よりもやや高いようなので、ほっとしています。

 関連書の売れ行きもなかなかよく、以前この記事で紹介した村松真理子さんの『謎と暗号で読み解くダンテ『神曲』』は、発売の翌週に早くも重版が決まりました。

 イタリア旅行などが当たるクイズキャンペーンは、引きつづき公式サイトで実施中です。

2013年12月10日 (火)

朝日カルチャーセンター(東京・大阪)1月期の日程

 朝日カルチャーセンター東京・新宿教室と大阪・中之島教室の2014年1月期の翻訳講座の受付がはじまっています。新宿教室も中之島教室も、「文芸翻訳のツボ」と「英米小説の翻訳」の2種類のクラスがあります。 

 東京・新宿教室の1月期は2月1日、3月1日、3月29日の3回です。「文芸翻訳のツボ」は10時から11時半まで(ここ)、「英米小説の翻訳」は12時45分から14時15分まで(ここ)です。どちらも1時間半×3回です。

 大阪・中之島教室の1月期は、1月25日の1回だけです。「文芸翻訳のツボ」は10時から13時まで(ここ)、「英米小説の翻訳」は14時から17時まで(ここ)です。両クラスとも3時間×1回です。  

「文芸翻訳のツボ」では、小説を中心として、説明的文章や短詩なども扱いながら、文芸翻訳を手がけるにあたって留意すべきことをさまざまな角度から学びます。 これまで2期(完結)の形でおこなってきましたが、来年の4月期からは東京・大阪とも、1回きりのオリエンテーションクラスに変わる予定です。現在の形で受講できる最後のチャンスなので、時間のあるかたはこの機会にぜひ受講してください。

「英米小説の翻訳」では、長編小説の一部をていねいに訳していきます。1月期は、『解錠師』の作者スティーヴ・ハミルトンによる未訳短篇を扱います。 こちらは4月期以降も進め方に変更はありませんが、大阪の時間数が増えて東京と同じになる予定です。

 どちらの講座でも、英文の訳読のほかに、毎回指定した本(おもに翻訳書)を読んできて簡単に感想を言ってもらう時間を少しとります。課題書はこのブログの右側に並んでいます。1月期は、東京が『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』『翻訳がつくる日本語――ヒロインは「女ことば」を話し続ける』『ミステリガール』の3冊(この順に)。大阪はその3冊のうちのどれか1冊ですが、よかったら3冊とも読んでみてください。 

 越前の講座をはじめて受ける人は、なるべく「文芸翻訳のツボ」から受講してください。ただし、回数が少ないので、可能なら両方を受講することをお勧めします。  

 また、1月24日(金)の18時30分から20時まで、大阪・中之島教室での一般向け講演会をおこないます。「翻訳百景~英語と日本語のはざまで」(翻訳百景大阪ミニイベント第4回)をおこないますここ)。こちらは翻訳や語学に少しでも興味がある人ならじゅうぶん楽しめる内容で、予習は不要です。翌日の講座を受講する人は、できればこれにも参加してください。内容はこれまでの東京の翻訳百景ミニイベントと一部重複する可能性があるので、ご了承ください。

2013年12月 2日 (月)

第8回翻訳百景ミニイベントのご案内

 第8回の翻訳百景ミニイベントの概要が決まりました。きょうから受付を開始します。

  日時  2014年1月23日(木)午後7時から8時45分

  会場  表参道駅近くのセミナールーム(詳細は申込者に直接メールでお知らせします)

  参加費  1,500円

  ゲスト 田内志文さん

 お申しこみのメールは office.hyakkei@gmail.com 宛にお願いします。その際、本名または著訳書のペンネーム(ハンドルのみは不可)、当日連絡のつきやすい電話番号または携帯メールアドレス(PCと同じアドレスの場合はその旨)をかならず書いてください。

 今回は田内志文さんをお迎えし、1時間半余りにわたって話していただきます。田内さんは出版翻訳者であると同時に、創作や朗読など、独特のスタンスで著作活動をつづけていらっしゃいます。最新の訳書は『ウォールフラワー』(スティーブン・チョボスキー著、集英社文庫)。これまで、みずから翻訳出版の企画を立てて、多くの作品の持ちこみを成功させていらっしゃったため、そのあたりのことを中心に話してくださる予定です。具体例として、今年の秋に出て話題になった『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』(アンドリュー・カウフマン著、東京創元社)を採りあげ、企画書の実例なども紹介していただくことになっています。

 田内さんご自身からのメッセージを紹介します。

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 電子書籍化の進む中、翻訳家という「職業」はすこし危ない立場にあります。コストダウンの余波は末端の訳者に大きく及び、二足のわらじが当たり前、といった業界になっています。いずれ、職業としては成立しなくなるのではないかという危惧も、大げさではありません。 

 私が翻訳企画の持ち込みや、レジュメの制作を多くしている動機もそこにあるのですが、翻訳家という仕事は、単に「翻訳業務を遂行する」ということに加え、「検討できる企画数を増やす」ということもあるのではないかと考えています。これはもちろん自分の利益にもなりますが、同時に業界全体の利益にも繋がることではないかと感じます。たとえレジュメを書いた本が自分の仕事にならなくても、検討できる企画そのものが増えれば、翻訳家に回ってくる仕事も当然増えることになります。 

 また、翻訳家が一般の人前に出て朗読活動や読書会を行ったりすることにも、価値と意味があります。イベントをすればその場で2冊でも3冊でも本は売れますし、実際にその文章を書いた人を目の前に出来るというのは、読者にとっては特別な機会になります。そうして認知されて行くことが、職業を守ることにもなるのだと、私は考えています。

 そして、訳者個人個人が持ち込みをすることが増えてくると、それぞれの訳者の色が分かりやすくなり、最終的には「こういう本を読みたいからあの訳者の訳書を調べてみよう」という本の探し方も出来るようになるはずです。「極力目立たない」が翻訳家の在り方であるのは事実ですが、それはあくまでも作品に対して、というところに留め、翻訳家そのものが現在よりももっと物書きとして、そして表現者として役割を持つことにより、翻訳家という職業そのものが守られて行く側面もあるのではないかと考えています。 

 単価のどんどん下がって来ているこの数年、どうしても「自分が仕事をしたい」になりがちなのは事実ですが、逆に、より利他的な意識を持って仕事を見つめて行かなければ、仕事の全体数を増やし、職業を守っていくことはできないと思います。そのようなことを考える機会になれば、と考えています。

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 翻訳者や学習者のかただけではなく、翻訳書や翻訳出版に興味があるかたはどなたでもぜひお越しください。

 これまでの翻訳百景ミニイベントの様子については、ここここをご覧ください。

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