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  • 越前敏弥
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2013年6月12日 (水)

シャベルとスコップと紙ばさみ

 2か月ほど前にツイッターにも書きましたが、「シャベル」と「スコップ」ということばを、みなさんはどう使い分けているでしょうか。

 Wikipedia には、「西日本では大型のものをシャベル、小型のものをスコップと呼ぶ。逆におもに東日本では大型のものをスコップ、小型のものをシャベルと呼ぶ人が多い」と書かれています。『大辞林』の両語の説明にも、それと似た記述があります。

 実のところどうなのかと思って、ツイッターで質問してみたところ、50人ほどのかたがリプライをくださったのですが、やはり8割か9割程度に関して、上の説明どおりでした。東と西のどちらが正しいということではなく、そういう傾向があることはまちがいないようです。

 わたし自身について言えば、ぎりぎり西日本の金沢市で生まれたものの、6歳で東京に移り住んだので、言語感覚はほぼ東京人と同じだと思います。ですから、子供のころの感覚では、シャベルが小さいもの、スコップが大きいものと認識していた気がします。

 ただ、何歳ぐらいからかは覚えていませんが、ある時期から「シャベルは先がとがっているもの、スコップは先が平たいものやまるいもの」と識別するようになりました。これはたぶん、shove(突く)とscoop(すくう)の語感のせいでしょう。ちょっと調べてみたところ、こんなサイトが見つかりました。これによると、JIS規格ではシャベルのほうがとがったものとなっています。

 もちろん、だからと言って、それだけが正解だと主張するつもりはありません。ツイッターでも、一部の人が形状で使い分けるとおっしゃっていましたが、わたしの感覚と同じ人もいれば、正反対の人もいました。これについては、住んでいる地域は関係ありません。

 翻訳の仕事をする者としては、さまざまな受け止め方があることを知ったうえで、原文が shovel ならシャベルと訳す、というスタンスでいるしかなさそうです。

 そう言えば、1年半ほど前になりますが、やはりツイッターで「紙ばさみ」という語についてわたしが質問し、多くの人からリプライをもらって大変参考になったことがありました。絵に関する portfolio という語の訳語として、ほとんどの辞書が「紙ばさみ」という語を載せているのですが、それで意味がわかる読者がどのくらいいるのかが気になって、尋ねてみたしだいです。

 そのときのやりとりはここにまとまっています。かなり長いのですが、興味のあるかたはざっとながめてみてください。

 これは『解錠師』を訳していたときのことで、portfolio という語が何度も出てくるのですが、このときのツイッターでのやりとりを参考にして、portfolio は「紙ばさみ」ではなく「フォルダー」と訳しました。

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