プロフィール

  • 越前敏弥
    文芸翻訳者。 いまのところ、更新は週1、2回程度です。 ご感想・お問い合わせなどは office.hyakkei@gmail.com へお願いします。
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2013年6月

2013年6月30日 (日)

INFORMATION 2013-06-30

 7月12日(金)の第 11 回 Discover Book Barで、ゲストとして話をさせていただくことになりました。このときに第3回ツイッター小説大授賞式もおこなわれます。かぎられた字数でひとつの物語を編みあげていく点では、『Six-Words たった6語の物語 』と共通する部分も多いので、ツイッター小説大賞の受賞作へのコメントとともに、six words の話もしていく予定です。

 どなたでも参加できます。ディスカヴァー・トゥエンティワンのサイトからお申しこみください。Discover Book Barの様子はこちらで見ることができます。

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 朝日カルチャーセンター新宿教室の7月期の「文芸翻訳のツボ」と「英米小説の翻訳」は、7月6日に開講します。A4用紙1枚の予習課題があるので、参加を希望なさるかたは早めにお申しみください。「英米小説の翻訳」のクラスでは、今期はダン・ブラウンの Inferno を扱います。 

 新宿教室で8月10日にまる1日かけておこなう「『日本人なら必ず誤訳する英文』実践講座」は、おかげさまで満席となりました。現在、キャンセル待ちを受けつけています。正式にはまだ告知していませんが、11月にも同一内容の講座をおこなう予定です。 

 その他の朝日カルチャーの講座・講演会についてはこちらをご覧ください。 

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 7月5日に、スティーヴ・ハミルトンのアレックス・マクナイト・シリーズ第1弾『氷の闇を越えて』の新版が刊行されます。数日のうちに電子版も発売される予定です。 

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 今年も、読書探偵作文コンクールが開催されます。今年から読書探偵の専用サイトが開設され、まもなく公開されます。お楽しみに。 

 これまでの読書探偵作文コンクールについては、こちらをご覧ください。

 

2013年6月21日 (金)

INFORMATION 2013-06-21

 エラリー・クイーンの国名シリーズ第4弾『ギリシャ棺の秘密』がきょう発売されました。北田絵里子さんとの共訳です。前3作と合わせて、よろしくお願いします。

 また、前の3作が諸形式でいっせいに電子化されました。紙よりやや安くなっています。そちらもどうぞよろしくお願いします。

 このあと、秋には第5弾『エジプト十字架の秘密』が刊行される予定です。

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 ダン・ブラウンの新作『インフェルノ』(仮題)の発売日が11月28日ごろに決まりました。初回限定の特典などをいま準備しているようです。『ロスト・シンボル』のときはこのバッジでした。

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 朝日カルチャー(東京・大阪)の7月期の講座を受付中です。

 通常の「文芸翻訳のツボ」「英米小説の翻訳」のクラスとは別に、今回は大阪で7月26日(金)の夜に第3回大阪翻訳百景ミニイベント(ゲストは細美遙子さん)、東京で8月10日(土)に1日かけて『日本人なら必ず誤訳する英文』実践講座をおこないます。

 くわしくはこちらの記事をご覧ください。

2013年6月 7日 (金)

朝日カルチャーセンター(東京・大阪)7月期の日程

 朝日カルチャーセンターの7月期の翻訳講座の受付がはじまりました。東京・新宿教室も大阪・中之島教室も、「文芸翻訳のツボ」と「英米小説の翻訳」の2種類のクラスがあります。

 東京・新宿教室の7月期は7月6日、8月3日、9月7日の3回です。「文芸翻訳のツボ」は10時から11時半まで(ここ)、「英米小説の翻訳」は12時45分から2時15分まで(ここ)です。どちらも1時間半×3回です。

 大阪・中之島教室の7月期は、7月27日の1回だけです。「文芸翻訳のツボ」は10時から13時まで(ここ)、「英米小説の翻訳」(ここ)は14時から17時までです。両クラスとも3時間×1回です。

「文芸翻訳のツボ」では、小説を中心として、説明的文章や短詩なども扱いながら、文芸翻訳を手がけるにあたって留意すべきことをさまざまな角度から学びます。半年(2期)で完結する予定で、どの期からでも受講できます。

「英米小説の翻訳」では、長編小説の一部をていねいに訳していきます。7月期はC・J・サンソムの "Dark Fire" を扱う予定でしたが、急遽変更して、ダン・ブラウンの新作 "Inferno" を扱うことになりました。ご了承ください。

 どちらの講座でも、英文の訳読のほかに、毎回指定した本(おもに翻訳書)を読んできて簡単に感想を言う時間を少しとります。課題書はこのブログの右側に並んでいます。7月期は、東京が『ロスト・シンボル』『教科書に載ってないUSA語録』『欲望の美術史』の3冊(この順に)。大阪はその3冊のうちのどれか1冊ですが、よかったら3冊とも読んでみてください。(その下の『喪失』は10月期に扱います)

 越前の講座をはじめて受ける人は、なるべく「文芸翻訳のツボ」から受講してください。ただし、回数が少ないので、可能なら最初から両方を受講することをお勧めします。

 また、これとは別に、東京・新宿教室で、8月10日(土)の10時30分から17時までかけて、「『日本人なら必ず誤訳する英文』実践講座」をおこないますここ)。これは以前ディスカヴァーでおこなった5回講座をやや短縮して1日でまとめておこなうものです(教材の量は前回とほぼ同じですが、今回は添削指導はありません)。文法の総整理をしたい人はぜひ受講してください。以前の講座の内容についてはここここにくわしく書いてあります。事前に、『日本人なら必ず誤訳する英文』を熟読したうえで、さらにある程度の予習が必要なので、なるべく早めにお申しこみください。

 大阪・中之島教室では、7月26日(金)の18時30分から20時まで、一般向けの講演会「翻訳百景~英語と日本語のはざまで」(翻訳百景大阪ミニイベント第3回)をおこないますここ)。こちらは翻訳や語学に少しでも興味がある人ならじゅうぶん楽しめる内容で、予習は不要です。翌日の講座を受講する人は、できればこれにも参加してください。内容はこれまでの東京の翻訳百景ミニイベントと一部重複する可能性があるので、ご了承ください。今回はゲストとして、SF・ファンタジー・ミステリーなど多方面で仕事をなさっている文芸翻訳家の細美遙子さんをお招きし、後半は細美さんとの対談の形で進めていく予定です。参加なさるかたには、細美さんの訳書を何冊かお読みになっておくことをお薦めします

2013年6月 1日 (土)

『ダ・ヴィンチ・コッド』翻訳コンクールの結果について

 先日《The Japan Times ST》の紙上で開催された『ダ・ヴィンチ・コッド』翻訳コンクールの結果と講評が、いま出ている6月7日号(Vol.63 No.23)に載っています。癖のある難解な課題英文だったにもかかわらず、38名ものかたからご応募いただきました。ありがとうございます。優秀者3名のかたには、拙著『日本人なら必ず誤訳する英文』『日本人なら必ず悪訳する英文』のサイン入りセットをお送りします。

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 詳細については紙面を見てください。ここでは、記事に書ききれなかったことを少々補足します。応募した人以外にもわかるように書きますが、翻訳の初心者向きの内容になるのでご了承ください。

◎主人公ドングランの年齢については、本文に正確な記述がないのですが、『ダ・ヴィンチ・コード』のラングドンが40歳代なので、それと同等と考えるのが筋でしょう。ラングドンについて言えば、映画のトム・ハンクスは「ぼく」と言いますが、小説では「わたし」で、今回のドングランもそれに合わせて「わたし」にしてあります。

「わし」と訳した人がずいぶんいましたが、仮に60歳代、70歳代などであっても、安易に「わし」という訳語を選ぶのは禁物です。いまの時代に方言以外で「わし」としゃべる老人はほとんど見られないので、極端にじじくさくしたいのでもないかぎり、「わし」という訳語は選ばないのが無難でしょう

 ちなみに、私立探偵などが出てくるとなんでもかんでも「おれ」にしてしまう傾向が特に女性にありますが、これも考え物です。「おれ」にすることによって、かなりキャラクターはせばめられてしまうので、よほどぴったりの人物以外には使わない、ぐらいの気持ちでいたほうがいいと思います。

◎今回の課題英文で特に狙ったわけではありませんでしたが、否定省略文の読み方が苦手な人が非常に多いのをあらためて感じました。よかったら『日本人なら必ず誤訳する英文』を読んでみてください。全部で140問のうち、7問ほどをこのテーマにあててくわしく説明してあります。

◎翻訳の仕事を何年もつづけていて確実に言えるのは、辞書を引かなくてもよいほど言語に精通することはありえない、ということです。母国語である日本語についてすらそうなのですから、外国語については言うまでもありません。勉強すればするほど、仕事をすればするほど、辞書を引く回数は増えていくというのが実情です。キャリアの長い人ほど、そのことはよくご存じでしょう。今回は possiblities ということばが鍵となりましたが、初学者の人は、ちょっとでも気になったら辞書を調べる習慣を体に叩きこんでください。特に、本来抽象名詞であるものが複数形になっている場合は要注意です

◎「……」や「――」などの表記については、課題英文を載せた5月17日号でかなり細かく説明したにもかかわらず(つまり、訳文を提出した全員がその説明を読んでいるはずなのに)、今回の提出者でそのルールを守っていた人は半数以下でした。「――」2マスであるべきところを1マスにしたり、「ー」(音引き記号)や「_」(アンダーバー)にしたり、勝手に「…」や「、、、」に変えたり、さまざまです。

 今回は自由に楽しんで訳文を作ろうという趣向なので、あれこれ言うつもりはありませんが、もし将来なんらかの形で仕事につなげていきたいのであれば、まずはそういうところから直していってください。

 では、そういうルールはどこで教えてくれるのかと言うと、簡単なことで、世の中に出まわっている本、特に翻訳書でどのように書かれているのかを見て、そのとおりに真似ればいいだけです。

◎最後に、紙面で採りあげなかったみなさんの訳で、おもしろいと感じたものをいくつか紹介します。

・ritualism-ist と ritist の訳語(わたしの訳語は「儀式主義主義者」「儀式者」)

 「儀式シュギースト」「儀式ースト」(忠実です)

 「儀式主義者」「"ギ"主義者」(おもしろいですが、ちょっとわかりにくい?)

 「儀式家」「ピストン運動の儀式熟練家」(数回前にピストン運動の話が出てきたからですが、これはやりすぎ)

 「ぎしきしゅぎい者」「ぎいじつか」(くふうはわかりますが、意味がそれます)

・annagrammotologist の訳語(わたしの訳語は「アナグラモ学者」)

 「アンナグラム語の専門家」(忠実です)

 「つつつづりりりの音研究家」(これは笑いました)

 「暗コウ解読を専門とする学者」(このあと「どうしタラ」が出てきて、アンコウと並んで魚つながりがおもしろいです)

 「アナナグラムム学者」(わたしの訳語よりいいと思います)

 「過分解回文家」(すばらしい! ここだけなら最優秀です) 

 楽しい訳語が多く、こちらもいろいろとヒントをもらいました。あらためて、みなさん、ご応募ありがとうございました。

『ダ・ヴィンチ・コッドに挑戦!』の連載は、このあともつづいていきます。今後もよろしくお願いします。

The Japan Times ST》は、全国の書店や駅売店で購入できます(取扱店リストはこちら)。オンラインでは、このページ利用なさるのがいちばん早いと思います(紙版とデジタル版があります)。また、定期購読はこちらで申しこめます。

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