第4回翻訳ミステリー大賞&読者賞決定
第4回翻訳ミステリー大賞の授賞式(リアルタイム開票)が4月13日に本郷の鳳明館森川別館でおこなわれ、『無罪』(スコット・トゥロー著、二宮磬訳、文藝春秋)が受賞しました。
下の写真は、去年の第3回翻訳ミステリー大賞受賞作『忘れられた花園』の訳者・青木純子さんから、『無罪』の訳者・二宮磬さんに賞状が贈られたところです。
受賞作『無罪』は、約20年前に刊行されたリーガル・サスペンスの傑作『推定無罪』の続編です。法廷シーンの圧倒的な迫力はもちろん、中年から老年にかけての男性の精神的危機をあまりにも生々しく描いているという点でも秀逸な作品で、わたし自身もこの作品に投票しました。
未読のかたは、この『無罪』から読んでもネタバレなどはありませんが、ぜひ『推定無罪』を先に読了することをお薦めします。
今回は前年以上の大接戦で、一時は3作品が同数で並ぶなど、開票は大いに盛りあがりました。2次候補作6作の最終得票数は以下のとおりです。
『無罪』:16票
『毒の目覚め』:11票
『解錠師』:11票
『深い疵』:10票
『罪悪』:7票
『湿地』:5票
また、各地の読書会メンバーが中心になって今年新設した翻訳ミステリー読者賞には、150名近くが投票してくださり、以下の3作が最多得票同数ということで選出されました。
『深い疵』(ネレ・ノイハウス著、酒寄進一訳、東京創元社)
『吊るされた女』(キャロル・オコンネル著、務台夏子訳、東京創元社)
『解錠師』(スティーヴ・ハミルトン著、越前敏弥訳、早川書房)
わたし自身の訳書も選ばれ、賞品として図書カードや選りすぐりの古書をいただきましたが、そのことよりも、全国の読者のかたがこのような賞を自主的に運営してくださるようになったことのほうが数段うれしいです。どうぞ来年度は、さらに多くのかたが投票してくださるよう、よろしくお願いします。
授賞式&コンベンションでは、そのほか、「書評七福神がふりかえる翻訳ミステリーこの1年」「出版社対抗ビブリオバトル」「クイズ大会」「小部屋企画」などがおこなわれ、深夜までみなさんと楽しく過ごしました。参加者のみなさん、投票や告知などで協力してくださったみなさん、ありがとうございます。
授賞式のレポートは、後日翻訳ミステリー大賞シンジケートのサイト(ここ)や《ハヤカワ・ミステリ・マガジン》などに掲載される予定です。
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