9月上旬からはじまる『日本人なら必ず誤訳する英文』実践講座の準備がだいたい整ったので、きょうは教材として使う英文の一部を紹介しながら内容を説明します。
この講座は、3年前に出た『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 (ディスカヴァー携書)
』を予習教材とし、5回にわたる演習を通して、知識を確実に定着させていくことを目的としています。『日本人なら必ず誤訳する英文』の第1部は文法項目ごとに10章に分かれていますが、毎回2章ずつを事前に熟読してきたうえで、講座の2時間のなかで類題や発展問題に取り組んでもらいます。
教材は3種類に分かれています。
第1に、三者択一式の文法問題を1回につき20問。これを10分間でその場で解いてもらい、時間内にこちらで採点して、正解率の低い問題を中心にざっと解説します。これによって、予習してきた文法項目に関する弱点をまず見つけます。
扱うのは、たとえばこんな問題です。
・Tim must be looking forward as much to Lucy's return as she is herself to ( ) him.
(A) see (B) look (C) seeing
・ ( ) is the writer of this novel?
(A) Whom do you think (B) Do you think who (C) Who do you think
第2に、『~誤訳する英文』の事前に読んできてもらった範囲の例文と誤読のポイントが似た英文20問をその場で渡し、その場で意味を言ってもらいます(辞書を見るのは自由です)。中にはかなり誤読率の高いものもありますが、『~誤訳する英文』をしっかり予習してあれば、さほど手強くはないはずです。たとえば、こんな英文です。『~誤訳する英文』を読んだかたなら、ああ、あれか、とお気づきになるはずです。
・I had been deeply depressed for many months when I heard the death of my father.
・Do you think she was the secret if indirect cause for his death?
第3に、事前に取り組む課題として、毎回A4用紙1枚程度の英文に対して訳文を作ってきてもらい、わたしが簡単に添削したものをその場でお返しして、みなさんの出来に応じて説明します。英文は1行だけのものから10行程度のものまで、いろいろな組み合わせになっていて、内容は小説・ノンフィクション・ビジネス文書・図鑑などさまざまです。
訳文を提出してもらうのは、あくまで正しく読めているかどうかを確認するためなので、ことさらにうまい訳ではなくてもかまいません(ただし、翻訳学習者のかたはある程度はくふうしてきてください)。
これについても、ひとつだけ例文を紹介します。
My skin crawled at the thought of Mark's eyes on it, his pity and perhaps disgust, for why should someone formed as he was not feel disgust?
事前課題を毎回提出したうえで受講するのはけっして楽ではないと思いますが、本気で取り組んだ人にとっては、『~誤訳する英文』をただ読むだけの何倍もの効果が期待できる、とお約束します。
開講は9月6日で、以後は隔週木曜日、全5回です。お申しこみはこちら。
ところで、最後の英文はきょう発売の『チューダー王朝弁護士シャードレイク (集英社文庫 サ 6-1)
』の一節です。この作品については、日を改めてまた紹介します。