プロフィール

  • 越前敏弥
    文芸翻訳者。 いまのところ、更新は週1、2回程度です。 ご感想・お問い合わせなどは office.hyakkei@gmail.com へお願いします。
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2012年6月

2012年6月29日 (金)

第2回イベント終了&第4回イベントの内容

・きのうの第2回ミニイベントに参加してくださったみなさん、ありがとうございました。ゲストの芹澤さんには、フロストシリーズの話だけでなく、デビューからこれまでの編集者とのやりとりの話や、今後取り組んでみたい仕事の話など、たくさんうかがうことができました。第1回のゲストの夏目大さんが参加者として来てくださったり、ほかにも同業者が様子を見に来てくれたりした一方で、フロストシリーズの愛読者のかたがネット検索で調べて申しこんでくれたケースもあり、感謝しています。

 今後も翻訳と翻訳書の楽しさ(と、少しだけ、きびしさ)を伝えていくことを目標に、時間のあるかぎり開催していくつもりです。

・第3回翻訳百景ミニイベント(7月26日)は、すでにここで受けつけを開始しています。この回は主催がディスカヴァー・トゥエンティワンになるので、リンク先のサイトに記載されている要領でお申しこみください。当サイトでは受けつけていません。ディスカヴァーのサイトではわたしがゲストとして紹介されていますが、内容は第1回・第2回とほぼ同じ形式のロングバージョンで、後半はディスカヴァー出版部長の藤田浩芳さんに話をしていただきます。

・第4回の翻訳百景ミニイベントの概要が決まりました。

  日時  8月23日(木)午後7時から8時45分

  会場  表参道駅近くのセミナールーム

  参加費  1,500円

  ゲスト  内藤文子さん、宮坂宏美さん、田中亜希子さん

 ゲストの3人は、以前この記事で紹介した「オズの魔法使いシリーズ」の新訳チームのみなさんです。また、やまねこ翻訳クラブの創立当時からのメンバーでもあり、児童書やYAの翻訳全般についてお話をうかがう予定です。

 第1回イベントでアンケートをとったところ、児童書やYAの翻訳関係者を呼んでもらいたいという声が最も多かったので、それを受けて依頼したしだいです。

 また、第1回は時間が短すぎてあわただしかったので、15分延長することにしました。

 参加を希望されるかたは、office.hyakkei@gmail.com 宛にメールでお申しこみください。

2012年6月26日 (火)

INFORMATION 2012-06-26

・第2回翻訳百景ミニイベント(6月28日、ゲストは芹澤恵さん)は、キャンセルが出たので数名の空きがあります。参加をご希望のかたはoffice.hyakkei@gmail.com へその旨ご連絡ください。

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・7月から8月にかけて、各地方の翻訳ミステリー読書会がつぎつぎおこなわれるので、ここに日程を整理しておきます。

 7月1日(日) 第2回大阪クリスティー読書会(満席)

 7月8日(日) 第2回千葉読書会(満席)

 7月21日(土) 第1回札幌読書会

 7月28日(土) 第4回名古屋読書会 (満席)

 8月3日(金) 第6回福岡読書会

 8月18日(土) 番外編・福島「金田一耕助ウォーキング」

  中でも、初開催の札幌読書会を特によろしくお願いします。課題書はディック・フランシスの『大穴』。福島につづいて、一般のサイト読者のかたが立ちあげてくださったことを、とてもうれしく思っています。世話人の畠山さんによる特設サイト〈JUST FOR KICKS〉はここ。ツイッターアカウントは、技術的な理由で休止していましたが、新しいアカウント @shizuka_lat43N ができました

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・第3回翻訳百景ミニイベント(7月26日)は、すでにここで受けつけを開始しています。この回は主催がディスカヴァー・トゥエンティワンになるので、リンク先のサイトに記載されている要領でお申しこみください。当サイトでは受けつけていません。ディスカヴァーのサイトではわたしがゲストとして紹介されていますが、内容は第1回・第2回とほぼ同じ形式のロングバージョンで、後半はディスカヴァー出版部長の藤田浩芳さんに話をしていただきます。

・第1回の翻訳百景ミニイベント(5月24日、ゲストは夏目大さん)の録画は、こちらで観ることができます。時間は1時間余りです。

・第4回の翻訳百景イベントについては、数日後に告知します。

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・朝日カルチャーセンターの7月期の募集がはじまりました。東京・新宿教室も大阪・中之島教室も、「文芸翻訳のツボ」と「英米小説の翻訳」の2種類のクラスがあります。

  東京・新宿教室の7月期は、8月4日、9月1日、9月22日の3回です。「文芸翻訳のツボ」は10時からの回(ここ )と15時15分からの回(ここ)のどちらか一方を受講してください。「英米小説の翻訳」は12時半からの回(ここ)のみです。どれも1時間半×3回です。

 大阪・中之島教室の7月期は、7月7日の1回だけです。「文芸翻訳のツボ」は10時から13時まで(ここ)、「英米小説の翻訳」(ここ)は14時から17時までです。両クラスとも3時間×1回です。

 4月期については、東京・新宿教室でまだ6月30日の回が残っていますが、3回のうち1回だけの編入というのは中途半端になるため、7月期からスタートすることをお勧めします。

2012年6月22日 (金)

朝日カルチャーセンターの指定課題書

 少し前から、朝日カルチャーセンターの講座で扱っている指定課題書を右側に並べて紹介しています。東京はこのすべて、大阪はこの一部を1回につき1冊読んできて、全員で感想を言い合う時間を20分程度とっています。

 このような試みをはじめたのは、まず何よりも、小説の翻訳をやりたければ翻訳小説をたくさん読まなくてはいけないという、ごく当然のことを再確認するためです。もちろん、日本人作家の本を読むことも原書を読むことも不可欠ですが、翻訳書においてどんな表現がスタンダードとなっているのかは、翻訳書からしか習得できません。

 また、みずからが翻訳文化の担い手だという自覚を強く持ってもらいたいという気持ちもあります。野球を観たりプレイしたりが好きでもないのにプロ野球の選手になりたいという人はいるはずがありませんが、小説の翻訳の場合、どういうわけか、本が好きでもないのに「英語が好き」という、わたしにとっては意味不明の理由で文芸翻訳のクラスに来る人が少なからずいるのが実情で、そういう人たちにまずは翻訳書の楽しみを知ってもらいたいと考えています。

 さらに言えば、自分自身もまた意志の弱い人間のひとりなので、このように半強制的に課題書を作ることで、読書やみずからの勉強のペースメーカーにさせてもらっているという側面もあります。いま課題書にしてある本のなかには、自分がすでに読んでおもしろいと感じたものだけでなく、未読ながらこの先なんとしても読まなくてはならないと思っているものもあります。

 先日、あるクラスのあとで食事会をやっていたときには、その日の課題書を肴にして、かつてないほどの談論風発の場となりました。訳読の課題だけを出していたころにはけっしてありえなかったことです。今後は受講生の側からも、これを課題書にしたいという声が出てくればいいな、とひそかに思っています。

2012年6月19日 (火)

INFORMATION 0212-06-19

・第2回翻訳百景ミニイベント(6月28日、ゲストは芹澤恵さん)は、キャンセルが出たので数名の空きがあります。参加をご希望のかたはoffice.hyakkei@gmail.com へその旨ご連絡ください。

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第1回札幌読書会の開催が告知されました。7月21日(土)の午後の開催で、課題書はディック・フランシスの『大穴』。案内文はここです。福島につづいて、一般のサイト読者のかたが立ちあげてくださったことを、とてもうれしく思います。世話人の畠山さんによる特設サイト〈JUST FOR KICKS〉はここ。ツイッターアカウントは、技術的な理由で休止しているのでしばらくお待ちください。

  『大穴』はディック・フランシスの競馬シリーズのなかでも最も人気の高い主人公シッド・ハレーが登場する第1作です。競馬にまったく興味のない人でもじゅうぶん楽しめます。競馬シリーズについては、五代ゆうさんによる「初心者のためのディック・フランシス入門」も参考にしてください。

・第2回大阪クリスティー読書会(7月1日、課題書『スタイルズ荘の怪事件』)と第2回千葉読書会(7月8日、課題書『リヴァトン館』)は、ともに満席となりました。キャンセル待ちをご希望のかたは記事にある専用アドレスにご連絡ください。

  『リヴァトン館』は今年の翻訳ミステリー大賞受賞作『忘れられた花園』の作者ケイト・モートンの前作です。シンジケートの連載「月替わり翻訳者エッセイ」では、先月は『リヴァトン館』の訳者の栗原百代さん、今月は『忘れられた花園』の訳者の青木純子さんが興味深い記事を寄せてくれています。

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・第3回翻訳百景ミニイベント(7月26日)は、すでにここで受けつけを開始しています。この回は主催がディスカヴァー・トゥエンティワンになるので、リンク先のサイトに記載されている要領でお申しこみください。当サイトでは受けつけていません。ディスカヴァーのサイトではわたしがゲストとして紹介されていますが、内容は第1回・第2回とほぼ同じ形式のロングバージョンで、後半はディスカヴァー出版部長の藤田浩芳さんに話をしていただきます。

・第1回の翻訳百景ミニイベント(5月24日、ゲストは夏目大さん)の録画は、こちらで観ることができます。時間は1時間余りです。

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・朝日カルチャーセンターの7月期の募集がはじまりました。東京・新宿教室も大阪・中之島教室も、「文芸翻訳のツボ」と「英米小説の翻訳」の2種類のクラスがあります。

  東京・新宿教室の7月期は、8月4日、9月1日、9月22日の3回です。「文芸翻訳のツボ」は10時からの回(ここ )と15時15分からの回(ここ)のどちらか一方を受講してください。「英米小説の翻訳」は12時半からの回(ここ)のみです。どれも1時間半×3回です。

 大阪・中之島教室の7月期は、7月7日の1回だけです。「文芸翻訳のツボ」は10時から13時まで(ここ)、「英米小説の翻訳」(ここ)は14時から17時までです。両クラスとも3時間×1回です。

 4月期については、東京・新宿教室でまだ6月30日の回が残っていますが、3回のうち1回だけの編入というのは中途半端になるため、7月期からスタートすることをお勧めします。

2012年6月15日 (金)

翻訳ミステリー大賞シンジケートへのおすすめリンク(2)

 先週、「翻訳ミステリー大賞シンジケートへのおすすめリンク(1)」と題して、翻訳者や翻訳学習者に興味を持っていただけそうな連載記事を紹介しましたが、きょうは翻訳ミステリーをこれから少しずつ読んでみたいと考えている人にとってのガイドになりそうな連載記事へのリンクを張っておきます。本選びの手がかりにしていただければ幸いです。

書評七福神の今月の1冊】(毎月更新)

 シンジケートで最も人気のある記事のひとつで、サイト開設以来ずっとつづいている企画。7人の書評家が、その月自分が読んだなかのベスト作品を、自信をもって推薦します。つぎに読むべき新作を選ぶ際の参考にしてください。

初心者のための作家入門講座】(不定期更新)

 海外の人気作家の作品を手にとったことがない人のために、その作家を担当する翻訳者や編集者、あるいは愛読する書評家や日本人作家などが、余すところなく魅力を語り、どの作品から読むといいかを指南します。記事を読んでみて、自分に合いそうな作家がいれば、まずはこのアドバイスの順に読んでみてください。

なんでもベスト5】(不定期更新)

 翻訳ミステリーの虜になった作家・書評家・翻訳者などが、さまざまな切り口で選んだ古今東西のベスト5作品を紹介します。まず、これは興味がありそうだというテーマの記事を見てください。

TVを消して本を読め!

 長寿シリーズのひとつです。アメリカで長く生活し、当地のTVや映画に精通した著者が、それらをわかりやすく解説しつつ、関連する翻訳書へと巧みに誘導してくれます。

読書会ニュース

 全国各地でおこなわれている翻訳ミステリー読書会の案内やレポートへのリンクです。課題書になっているのは人気シリーズの第1作であることが多いので、初心者でも手にとりやすいものがそろっています。以前書いたこの記事も参考にして、よかったら近くの読書会に一度参加してみてください。

 おすすめリンクは、また機会があったら紹介します。

2012年6月12日 (火)

INFORMATION 2012-06-12

・第2回翻訳百景ミニイベント(6月28日、ゲストは芹澤恵さん)は、満席となりました。キャンセル待ちをご希望のかたはoffice.hyakkei@gmail.com へその旨ご連絡ください。

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・第2回千葉読書会(7月8日)の案内はこちらです。課題書は、第3回翻訳ミステリー大賞受賞作『忘れられた花園』の作者ケイト・モートンの前作『リヴァトン館』です。

 シンジケートの連載「月替わり翻訳者エッセイ」では、先月は『リヴァトン館』の訳者の栗原百代さん、今月は『忘れられた花園』の訳者の青木純子さんが興味深い記事を寄せてくれています。

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・第3回翻訳百景ミニイベント(7月26日)は、すでにここで受けつけを開始しています。この回は主催がディスカヴァー・トゥエンティワンになるので、リンク先のサイトに記載されている要領でお申しこみください。当サイトでは受けつけていません。ディスカヴァーのサイトではわたしがゲストとして紹介されていますが、内容は第1回・第2回とほぼ同じ形式のロングバージョンで、後半はディスカヴァー出版部長の藤田浩芳さんに話をしていただきます。

・第1回の翻訳百景ミニイベント(5月24日、ゲストは夏目大さん)の録画は、こちらで観ることができます。時間は1時間余りです。

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・朝日カルチャーセンターの7月期の募集がはじまりました。東京・新宿教室も大阪・中之島教室も、「文芸翻訳のツボ」と「英米小説の翻訳」の2種類のクラスがあります。

「文芸翻訳のツボ」は、小説を中心として、説明的文章や短詩なども扱いながら、文芸翻訳を手がけるにあたって留意すべきことをさまざまな角度から学びます。内容は半年で完結し、どの期からでも受講できます。

「英米小説の翻訳」は、毎回、長編小説の一部をていねいに訳していきます。4月期からアメリカのリーガル・サスペンス)を扱っています。

 どちらの講座も、全員の訳文のコピーを全員に配布し、時間の許すかぎり細かく検討していきます。

 また、両講座とも、英文の訳読のほかに、毎回指定した翻訳書を読んできて簡単に感想を言う時間を少しとります。

 越前の講座をはじめて受講する人は「文芸翻訳のツボ」、長く受けてきた人は「英米小説の翻訳」をなるべく受講してください。ただし、回数が少ないので、可能なら両方受講することをお勧めします。

 両講座とも、『日本人なら必ず悪訳する英文』が予習用テキストとなります。事前にしっかり読みこんできてください。

・東京・新宿教室の7月期は、8月4日、9月1日、9月22日の3回です。「文芸翻訳のツボ」は10時からの回(ここ )と15時15分からの回(ここ)のどちらか一方を受講してください。「英米小説の翻訳」は12時半からの回(ここ)のみです。どれも1時間半×3回です。

・大阪・中之島教室の7月期は、7月7日の1回だけです。「文芸翻訳のツボ」は10時から13時まで(ここ)、「英米小説の翻訳」(ここ)は14時から17時までです。両クラスとも3時間×1回です。

・4月期については、東京・新宿教室でまだ6月30日の回が残っていますが、3回のうち1回だけの編入というのは中途半端になるため、7月期からスタートすることをお勧めします。

2012年6月 8日 (金)

翻訳ミステリー大賞シンジケートへのおすすめリンク(1)

【第2回翻訳百景ミニイベント(6月28日、ゲストは芹澤恵さん)は残席わずかです。参加をご希望の方は早めにお申しこみください。】

 以前、「翻訳ミステリー大賞シンジケートの日替わり記事の内容」という記事を書きましたが、一気に紹介したのであまりにも量が多く、はじめてご覧になる人はどこから見たらいいか迷うかもしれません。きょうはまず、翻訳者や翻訳学習者のかたが読んで特に興味を持っていただけそうな連載を、すでに終了しているものも含めていくつか紹介します。

鎌田三平の翻訳だらだら話】(不定期連載)

 大先輩の翻訳者・鎌田三平さんが、長年の経験に基づいて、翻訳作業において注意すべき点をユーモラスに解説してくれています。だらだらどころか、毎回とても勉強になるので、何度も繰り返し読んでいます。

扶桑社Tのひとりごと】(連載終了)

 翻訳書編集の現場に長くたずさわった著者が、1冊の翻訳書ができるまでの過程や翻訳出版にまつわる諸問題をわかりやすく解説してくれています。

月替わり翻訳者エッセイ】(毎週月曜更新)

 その月の担当の翻訳者が3~5回にわたって、日々の翻訳の仕事を進めていくなかで感じたあれこれを綴っていきます。つぎはだれが登場するのか、いつも楽しみにしています。

会心の訳文】(連載終了)

 それぞれの翻訳者が、自分の訳書のなかから特に気に入っている訳文や翻訳作業で苦労した訳文などをいくつか選び、原文と並べてあれこれ思いを語ります。。

 一度にたくさん紹介しても読みきれないでしょうから、きょうはこんなところで。来週はこれから翻訳書をたくさん読んでみたい人にとって役立ちそうな記事をいくつか紹介する予定です。

2012年6月 5日 (火)

INFORMATION 2012-06-05

・朝日カルチャーセンターの7月期の募集がはじまりました。東京・新宿教室も大阪・中之島教室も、「文芸翻訳のツボ」と「英米小説の翻訳」の2種類のクラスがあります。

「文芸翻訳のツボ」は、小説を中心として、説明的文章や短詩なども扱いながら、文芸翻訳を手がけるにあたって留意すべきことをさまざまな角度から学びます。内容は半年で完結し、どの期からでも受講できます。

「英米小説の翻訳」は、毎回、長編小説の一部をていねいに訳していきます。4月期からアメリカのリーガル・サスペンス)を扱っています。

 どちらの講座も、全員の訳文のコピーを全員に配布し、時間の許すかぎり細かく検討していきます。

 また、両講座とも、英文の訳読のほかに、毎回指定した翻訳書を読んできて簡単に感想を言う時間を少しとります。

 越前の講座をはじめて受講する人は「文芸翻訳のツボ」、長く受けてきた人は「英米小説の翻訳」をなるべく受講してください。ただし、回数が少ないので、可能なら両方受講することをお勧めします。

 両講座とも、『日本人なら必ず悪訳する英文』が予習用テキストとなります。事前にしっかり読みこんできてください。

・東京・新宿教室の7月期は、8月4日、9月1日、9月22日の3回です。「文芸翻訳のツボ」は10時からの回(ここ )と15時15分からの回(ここ)のどちらか一方を受講してください。「英米小説の翻訳」は12時半からの回(ここ)のみです。どれも1時間半×3回です。

・大阪・中之島教室の7月期は、7月7日の1回だけです。「文芸翻訳のツボ」は10時から13時まで(ここ)、「英米小説の翻訳」(ここ)は14時から17時までです。両クラスとも3時間×1回です。

・4月期については、東京・新宿教室でまだ6月30日の回が残っていますが、3回のうち1回だけの編入というのは中途半端になるため、7月期からスタートすることをお勧めします。

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 第2回翻訳百景ミニイベント(6月28日、ゲストは芹澤恵さん)は残席わずかとなりました。参加をご希望のかたは office.hyakkei@gmail.com へ早めにメールでお知らせください。その際、本名または著訳書のペンネーム(ハンドルのみは不可)、当日連絡のつきやすい電話番号または携帯メールアドレスをかならず書いてください。すでにお申しこみくださったかたには、会場などについての返信メールをお送りしました。万が一まだ届いていない場合はご一報ください。

 第3回翻訳百景ミニイベント(7月26日)は、すでにここで受けつけを開始しています。この回は主催がディスカヴァー・トゥエンティワンになるので、リンク先のサイトに記載されている要領でお申しこみください。当サイトでは受けつけていません。ディスカヴァーのサイトではわたしがゲストとして紹介されていますが、内容は第1回・第2回とほぼ同じ形式のロングバージョンで、後半はディスカヴァー出版部長の藤田浩芳さんに話をしていただきます。

 第1回の翻訳百景ミニイベント(5月24日、ゲストは夏目大さん)の録画は、こちらで観ることができます。時間は1時間余りです。

2012年6月 1日 (金)

第2回福島読書会へのメッセージ

 去る5月19日、第2回福島読書会が『オランダ靴の謎』を課題書としておこなわれました(高橋恭美子さんによるレポートはここ)。レポートでも少し言及されていますが、その際、同じエラリー・クイーンの訳者ということで、参加者のかたから事前に募った質問への回答という形のメッセージを送りました。きょうはその内容(一部省略)をここで紹介します。

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◎キャラクターの使い分け方 →日本語のように英語でも話し方などでの違いはあるのでしょうか??

 英語には日本語ほど男女のことばづかいにちがいはないと思いますが、なるべく文脈で感じとるようにしています。
 日本語でも、最近は男女のちがいが徐々に減っていますが、小説というのは活字だけですべてを使えなくてはならないので、微妙な音のニュアンスなどは伝えられません。よって、たとえば女性の台詞の末尾に「わ」がついたりするのは、ある程度まではやむをえないことです。

◎翻訳をする際に、実在の人物(俳優など有名人)をイメージして訳すことはありますか?
◎その場合、その有名人のイメージが台詞まわしに影響することはありますか?

 俳優などを想定することはときどきありますが、自分の場合はあまり多くありません。ぴったりの人をたまたま思いついたら、そのキャラで進めていく、という感じでしょうか。
『ダ・ヴィンチ・コード』や『天使と悪魔』のラングドン教授は、最初からジョージ・クルーニーを想定していました。その後、映画でその役をトム・ハンクスが演じたわけですが、そのあとで次作『ロスト・シンボル』を訳したときにはしばらくやりにくかったですね。ふたりの俳優が脳内に混在するような感じになって。
 エラリー・クイーンやクイーン警視については、特に想定していません。これは、自分が中学のころから読者としてすでに脳内イメージができあがっているからだと思います。それでも、ヴェリー部長刑事はなんとなく村田雄浩さんに置き換えて訳しているような気が……。
 余談ですが、約35年前にフジテレビで〈Yの悲劇〉がドラマ化されたとき、ドルリー・レーンの役を演じたのは石坂浩二。30代で、しかも映画で金田一耕助を演じていたのとまったく同時期です。もちろん、レーンの役は若手の劇団員という設定でしたけどね。ただ、思うに、いま〈Yの悲劇〉を映像化したら、70歳を過ぎたいまの石坂浩二こそがレーンにぴったりではないでしょうか。

◎各地の風景や街並みなどの土地に依存する表現の工夫は、どのようなものがありますか?? →読んでいて、風景が浮かんでくるような日本語表現って、単純に単語を訳すだけでは生まれないような、気がしてます。

 風景だから特に訳し方のくふうをするというのはない気がします。あえて言えば、自分はもともと映画好きなので、つねに小説ではカメラワークを無意識に想定しているようなところがあります。ここはクローズアップとか、ここはロングショットとか。それは訳文においては、たとえば主語のあとの「は」と「が」のちがいや、文末の「た」と「る」のちがいになって反映されます。(それ以上は翻訳の技術論になってしまうので割愛させてください)

◎外国の生活習慣や文化に根ざした箇所を訳す上では、いろいろとご苦労をされていると思いますが、印象に残っている中で、これは苦労したという例があれば教えてください。

 ひとつ例をあげれば、フィート・ポンドとメートル・グラムのどちらを採用するかという問題が、どんな翻訳小説でも付きまといます。前者を選べば「わかりにくい」という苦情、後者を選べば「興醒め」という苦情がかならず出ます。
 わたしがこの仕事をはじめたころ(15年ほど前)には、フィート・ポンドを採用する訳者が圧倒的多数でしたが、いまは半々ぐらいかもしれません。わたし自身はまだフィート・ポンドで通していますが、作品によってはメートル・グラムを使ってもいいかもしれない、と考えはじめています。
 今回参加している翻訳者の人たちにも意見を聞いてみてください。もちろん、正解がどれというわけではありません。

◎クイーンの作品は、舞台設定が80年くらい前だと思いますが、そういった作品の新訳を手がける場合に、古臭くなく、かつ現代的にすぎないよう、何か気を付けていることはありますか?

『レーン最後の事件』のあとがきにも書きましたが、古典新訳でやるべきことは、あくまで錆落としや煤払いです。過去の訳のうち、明らかなまちがいやぎこちない表現を修正するにとどめるのが原則です。
 ただし、国名シリーズの新訳では、いくつかの場面で、これまでにない台詞まわしを採用するつもりです。詳細は出てのお楽しみとさせていただきたいのですが、少しだけヒントを出すと、クイーン父子の関係について少々新解釈を(というか、自分自身、昔から読者としてそうすべきではないかと感じていたことを)打ち出しました。

◎クイーン作品を、新しい読者(若い方や、ふだん翻訳ミステリーをあまり読まない方)におすすめするとしたらどのように紹介されますか?

 古典の名作を、特に翻訳物を読まなきゃダメだよ、なんて言ってもそっぽを向かれるだけなので、そんな言い方はつとめて避けています。ただ、特に今回の『オランダ靴』や『Xの悲劇』には、めくるめくような推論の美しさがあります。論理パズルや難解なクイズを好きなのは、老若男女を問わず、日本人の国民性なので、そういうのが好きな人にはたまらない本だ、という勧め方をするのがいちばんだと考えています。

◎もしも絵本を訳されるとしたら、どんなのがよろしいですか?既存のものでも。

 うーん……自分でも児童書を3冊訳しているのですが、小学校中・高学年向けのものでして……。絵本というより、図鑑などでおもしろいものがあったら日本の子供たちに紹介したいです。

◎自分ならこうは表現しない!というような本はございますか?

 もちろんあります(笑)。というか、翻訳者だったら、他人の翻訳書はどうやったってそういう目で読んでしまいます。だから、読むのがものすごく遅くなる。職業病みたいなものです。

◎他の方が翻訳された作品で、ホントはオレがやりたかったなんて作品もあるものでしょうか?

 これは、あるにはあるけれど、そう多くないですね。ダン・ブラウンとエラリー・クイーンをやらせてもらってるんだから、文句を言っちゃいかんでしょう。英米でベストセラーになった本は、こちらが気づいたころには、ふつうはとっくにどこかが版権をとっていますから、だれが訳してるのかな、という興味はあります。
 

 以上です。どうぞ皆さん、福島の読書会を末永くつづけていってください。今回は私用でうかがえませんでしたが、かならず近いうちにうかがいます。皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。――――――――――――――――――――

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