プロフィール

  • 越前敏弥
    文芸翻訳者。 いまのところ、更新は週1、2回程度です。 ご感想・お問い合わせなどは office.hyakkei@gmail.com へお願いします。
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2012年2月

2012年2月23日 (木)

ご報告

 講座案内などを見てもうお気づきのかたもいらっしゃるでしょうが、今期いっぱいで翻訳学校フェロー・アカデミーの講師を辞めることになりました。すでに最後の授業を終え、来期は通学・通信のどちらについてもクラスを受け持ちません。フェロー・アカデミーには、生徒だった時期も含めて18年間お世話になりました。長いあいだ、ほんとうにありがとうございました。

 退職の理由については、公私にわたるいくつもの事情がからんでいるので、安易にここに書くことはできません。ただ、あえてまとめるとしたら、いまの自分にとっては、文芸翻訳のプロを大量に養成することよりも、翻訳書の読者を少しでも増やすことへの関心のほうが大きくなっていて、そちらへ少しずつ軸足を移したいと数年前から考えていました。今後の活動の指針はそれが原則になります。

 朝日カルチャーの講座は、新宿・大阪とも、これまでと同様につづけます。ただし、これまでのような翻訳技術の研鑽だけでなく、翻訳書を読んでいっしょに味わう時間も毎回採り入れます。これは、自分自身がここ何年か、翻訳書を読む時間をじゅうぶんに作れなかったことへの反省も踏まえています。

 また、雑誌での翻訳関係のコラムの連載や、翻訳書の愛読者と翻訳学習者の双方にとって役立つ定期的なイベントなども、数か月のうちにはじめる予定です。これについては、正式に決まりしだい、このサイトで順次紹介していきます。

 もちろん、翻訳の仕事そのものはこれまでと変わらずつづけていきます。引きつづき、どうぞよろしくお願いいたします。

2012年2月17日 (金)

翻訳ミステリー大賞シンジケートの日替わり記事の内容

 以前にも書いたとおり、翻訳ミステリー大賞シンジケートのサイトには、翻訳者・書評家・編集者など、翻訳出版にかかわる人たちの書いた文章がほぼ日替わりで寄稿されます。サイトの更新をおこなっている事務局も、そのなかの有志のグループによって運営されています。

 きょうは、何曜日にどんな記事が掲載されるかを少しくわしく紹介します。だいぶ前に《本の雑誌》に紹介されたことがありますが、そのときからずいぶん変わりました。更新は原則として朝のうちですが、諸事情から午後になることもあります。また、載せるべき記事がたくさんあるとき、イベントや新刊などのニュースが多いときなどは、夜にも更新される場合があります。

 月曜は「月替わり翻訳者エッセイ」。毎月、ひとりの翻訳者が翻訳の仕事の周辺について語っています。翻訳技術の論議や訳書のこぼれ話もあれば、まったくの趣味の話もあり、何が飛び出すかわかりません。今月は古屋美登里さんが書いてくださっています。

 火曜は毎月更新や不定期の記事がいくつか順繰りに掲載されます。「テーマエッセイ・なんでもベスト5」、「原書レビュー・え、こんな作品が未訳なの?」 、「初心者のための作家入門講座」、「堺三保の最新TVドラマ・映画事情【USA】 」、「冒険小説にはラムネがよく似合う【初心者歓迎】」など、バラエティに富んでいます。

 水曜はおもに「アガサ・クリスティー攻略作戦」、「小財満の、俺、このコージー連載が終わったら彼女に告白するんだ……【読書日記】」、「三橋曉のミステリ試写室」 のどれかが掲載されます。霜月蒼さんの「アガサ・クリスティー攻略作戦」はサイト開設時から書き継がれてすでに70回に及んでいます。

 木曜はおもに「書評七福神の今月の一冊【新刊書評】」、「挟名紅治の、ふみ~、不思議な小説を読んで頭が、ふ、沸騰しそうだよ~ 略して3F【読書日記】」、「五代ゆうの偏愛おすすめ録」、「廣澤吉泰の〈ここにもそこにもミステリーの影が〉」、「マット・スカダー再読~失われたおじさんのかっこよさを求めて~」など。「書評七福神」もサイト開設時以来の人気記事で、七人の書評家が最新のおすすめ本を紹介しています。

 金曜はおもに「翻訳ミステリー長屋かわら版」、「藤原編集室通信(出張版)」、「やまねこ翻訳クラブ「読書探偵」応援企画」の3つ。つい最近まで連載されていた「扶桑社Tのひとりごと」では出版業界の諸事情がわかりやすく説明されているので、特に翻訳学習者のかたはぜひバックナンバーをまとめ読みしてください。

 土曜・日曜・祝祭日は原則として更新がありませんが、最近は「読書会ニュース」や「翻訳ミステリー新刊情報」や「最新海外ミステリーニュース」が掲載されることが多く、ほぼ毎日、何か新しい記事が載っています。

 どれも読み応えのある記事なので、ぜひ毎日お越しください。

2012年2月15日 (水)

INFORMATION 2012-02-15

◎翻訳ミステリー読書会(シンジケート後援)

・第1回福島読書会 2月26日(日) 案内はこちら。主催者による公式ブログはこちら

・第1回千葉読書会 3月10日(土) 案内はこちら

・第2回名古屋読書会(2月26日)、第2回横浜読書会(3月1日)は満席のためキャンセル待ちとなっています。次回以降の案内のメール送付を希望の方はそれぞれの申し込み用アドレスにお問い合わせください。

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◎東京創元社の《ミステリーズ! vol.51のコラム「私はこれが訳したい」に、ジェレミー・ドロンフィールドの第4作THE ALCHMIST'S APPRENTICEのことなどを書きました。

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◎3月にハヤカワ・ポケット・ミステリから出るアンソロジー『ミステリアス・ショーケース』に、スティーヴ・ハミルトンの短編「四人目の空席」が掲載されます。

2012年2月 6日 (月)

翻訳ミステリーの各地方読書会

 きょうは、翻訳ミステリー大賞シンジケートが後援する各地方の読書会について。あまり書く時間がとれないので、きょうはとりあえず経過説明だけで、今後はイベント情報として定期的に紹介します。

 当初、シンジケートの主催する読書会が東京だけでおこなわれていましたが、ツイッターなどで、ほかの地方でも開催したらどうかという意見がときどきありました。そこで、2010年の11月ごろだったか、だれに告げるともなく開催の可能性についてつぶやいたら、最も多かったのが福岡での開催を望む声でした。それを受けて、福岡在住の翻訳者、三角和代さんと駒月雅子さんに世話役になってくれないかと打診したところ、ぜひ開催したいとのこと。会場選びからビラまきまで、ほんとうに熱心に準備をしてくださいました。このときのご尽力が、その後に各地へ読書会の輪がひろがっていく原点だったと言えます。

 一方、わたしは以前から翻訳の勉強会や朝日カルチャーセンターの翻訳講座などで定期的に大阪へ行っているので、そのメンバー数人にも声をかけて、大阪でも立ちあげてもらいました。大阪はあっという間に満席になりました。

 そんないきさつで、2011年の1月下旬に、『七人のおば』を共通の課題書とする読書会が3都市で連続開催されました。そのときのレポートはこちらです。わたし自身もそれまで読書会に参加した経験が多かったわけではありませんが、この旅で強く感じたのは、各地に翻訳フィクションが大好きな人が何人もいて、読んだ本の話をしたくてうずうずしていること、そして、語り合える仲間を増やしたいと思っていることでした。

 その後、福岡・大阪ともに2回目・3回目が順調におこなわれ、9月に横浜での開催も決まりました。そして、横浜で開催する旨をツイッターで告知したところ、それを見た名古屋在住の書評家・大矢博子さんが「名古屋は?ねえ名古屋はないの?(泣)」と嘆きのつぶやきを発したので、飛んで火に入る夏、いや、ここぞとばかりまるめこ、いや、お誘いをかけたのがきっかけで、名古屋でも開かれることになったのです。そして、うれしいことに、どの地方の読書会も満員御礼がつづきました。

 また、定期的におこなう読書会以外にも、カフェで軽く話し合うとか、単なる飲み会とか、型にはまらない集まりも少しずつ企画されています。くわしくは大阪の飯干京子さんのこの記事を見てください。

 最初はこちらから声をかける形で立ちあげた読書会ですが、わたしとしては、各地から自主的に開催を提案する声があがらないかとひそかに期待していました。そして、こんな記事を書いたところ、今年にはいってすぐ、福島県二本松市のかたが名乗り出てくださいました。第1回福島読書会の案内記事はこちらです。これはなんとしても成功させたい。

 さらに、つい最近、千葉読書会の開催も決定し、ほかにもいくつか検討中です。過去の読書会関連の記事はすべてここにまとまっています。どこまでこの輪をひろげていけるかわかりませんが、翻訳書の読者層をひろげていく一助になれたらと願っています。まだまだ満足するのは早いです。ご自身でも読書会をはじめてみたいと思っていらっしゃるかたは、翻訳ミステリー大賞シンジケート honyakumystery@gmail.com までぜひご連絡ください。

 過去に選ばれた課題書を並べておきます。まだはじめてからわずか1年余りですが、なかなかの壮観です。

 

2012年2月 1日 (水)

six words について

 2010年の11月に『Six-Words たった6語の物語』を英和対訳で出版して以来、six words は仕事の合間のよい息抜きになっています。

 six words は英単語6語で何かを表現する短詩形式です。ヘミングウェイが創始者と言われていますが、オンライン雑誌の SMITH Magazine が2006年に six word memoirs(6語の回顧録)の投稿を募集しはじめたのがきっかけで大流行し、今日に至っています。いまもサイトには毎日いくつもの作品が集まってきます(こちら)。

 たとえば、本の帯にも載せた "I still make coffee for two."という作品などは、幾通りもの人生をそこから思い描けます。作者は男なのか女なのか、年齢はどのくらいか、独身なのか既婚なのか、などなど。

 その一方で、"I drank too much last night."や"Should have used condome that time."のような、シンプルだからこそおもしろい作品も。

 日本では、かならずしも memoirs にこだわらず、とにかく6単語でなんでも表現してみようという立場で、ツイッターアカウント@sixwordsjp やハッシュタグ#sixwordsjp を使った投稿がつづいています。ひとつの作品をゆっくり味わうのも、訳文を作るのも、自作を投稿するのも自由です。

 このサイトでは、4月あたりからときどきSMITH Magazineのサイトなどで見つけた傑作を選んで、少しばかりコメントしていく予定です。去年の《週刊ST》の連載コラムをお読みになっていたかたはどんな感じか想像がつくかもしれません。

 six words についてもっとくわしく説明している動画はこちら。『Six-Words たった6語の物語』の担当編集者がいくつも実例をあげて10分弱でわかりやすく解説しています。 

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